よく見て書こう 原稿用紙の使い方(1)
蜂 屋 正 雄

 毎週2回の作文課題を見ている中で、7〜8割の子どもは「、」「。」を正しく打ち、時系列で文章を書くことができることがわかった。しかし、一つひとつの出来事の描写が淡泊で、「 」の使い方も不徹底であるため、低中学年でも試みた作文学習を仕組んだ。

●めあて
 ・見たこと、聞いたこと、思ったことをできるだけ詳しく書く。
 ・「」(かぎ)が正しく使えるようにする。

●学習過程
(1) 学習の見通しを持つ。
(2) 教師の動きをできるだけ詳しく書く。
(3) 描写表現を交流し、よい表現を取り入れ書き加える。
(4) 教師の評価

●書く手順
(1) 題・名前・書き始めを統一
  題 :今日の蜂屋先生
  名前:下を1マス空けて書く
  書き始め:1マス空けて「今日は作文で蜂屋先生をスケッチすることにしました。」
(2) 教師が扉を開けて教室に入り、手に持った箱をつくえに置き、「こんにちは」と発言し、箱の中から「ラグビーボール」と書かれたラグビーボールを取り出すところまでの動きをできるだけ長い文章で書く。
(3) 「」(かぎ)の使い方・音はカタカナで書くことなどを確認
(4) 書き直しの際に参観の保護者と相談しながら完成
(5) 原稿用紙の1行=1点、文法や記述方法の間違いを1点減点として、20点満点で評価

●子どもの様子
 楽しんで作文に取り組んでいた。班の中で文章を読み合う中で、友だちの表現をまねしたり、自分の記述方法の間違いに気づいて直したりする中で、スキルの向上が見られた。
「泥棒のように歩いて」などの比喩表現もあり、交流する中で面白い表現が広がっていった。漢字や適切な言葉を一生懸命探し、できるだけ正しく、上手く表現しようとする様子が見られた。

 低学年、中学年とは違い、ただ楽しむだけでなく、正しさやよい表現へのこだわりが見られた。特に曖昧だった記述方法の徹底がはかれる授業となった。
 下学年では「右足から教室に入り」「七歩歩いた後」など、大変細かい描写が見られたが、6年生ではそこまでの描写は見られなかった。成長と共に「要旨や内容を伝える」というところに目が向いているからなのだろうか。
 辞書を活用しながら作文すると、漢字や語彙の力もつく授業展開の可能性を感じた。
(草津市立笠縫東小)