▼少し前は不幸の手紙というのがあったが、今はメールがその役割を果たしているらしい。小学生もメールを使うという時代なのでこのような試練にあっているが、相手が不特定なので対応がむずかしいのが実態。

▼三年生の子が朝から元気がない。理由は不幸の手紙のような内容のメールがきたというのである。不安な気持ちを担任に相談しているところを、周りの子どもが気遣い、どのように克服するのかという知恵を出し合っているところに出会った。

▼一方的に不安をかき立てる必要もないので、今までの経緯を聞きながら、この出来事がこの子の生きる知恵になる方法はないかと探った。不思議なもので、少し距離を置いて見ていくと知恵が生まれる。

▼不安な気持ちを担任に自分で伝えたことから、それを心配する友達の輪が広がったことに気づかせた。「あなたのことを心配してくれる友達がこれほどいることが分かったでしょう」という一言で不安な気持ちが消えていくのを感じた。「登下校が心配だから、友達と一緒に帰ることを含めて考えて下さい」というと「私が一緒に帰ってあげる」と応援する子が出てきた。

▼自分の言葉で先生に相談したから、友達発見もできたという意味のことを伝えた。これを契機に課題を克服する勇気が大事なことをに気づいてくれたらうれしい。(吉永幸司)