正しく書けるよ ー小さく書く字ー
池 嵜 繁 伸
本学級(知的障害児学級)は在籍児4名であるが、今回の学習は児童の実態を考慮して、A児、B児の二人を対象にして行った。 A児、B児とも日常生活や学習場面で「話すこと」が得意な反面、「書くこと」に対する苦手意識がみられる。特にA児は一学期初めには文字を書くことが苦手で短い文を書くことにも抵抗を示し、簡単な文章を音読する際にも言葉のかたまりとして文字を捉えて読むことが難しいという面もあった。 このような子どもたちの特性をふまえ、視写や日記などの「書く」活動に継続して取り組んでいる。その際、書いた後すぐに教師のところに持ってこさせ声に出して読ませ、その場で表記の間違い等に気づかせるようにしてきた。 しかし、促音・拗音の表記の間違いについては、自分では気づけないのが現状である。そこで、今回の学習では促音・拗音の表記や発音について焦点化して指導することにより、正しい表記で書こうとする意識を高めようと考えた。 ◇学習のねらい◇ 促音・拗音の表記ができ、文の中で正しく使うことができる。 ◇主な学習の流れ◇ (1) 口の体操 ・姿勢、口形に注意して、はっきりとした発音ができるようにする。 例 : 「あえいうえおあお…」 (2) 促音・拗音を含んだ言葉を読む。 ・フラッシュカードを活用し、ゲームをしながら視覚的に促音・拗音をとらえさせる。 ・言葉のリズムに合わせて手をた たくなどして音韻を意識させる。 例 : 「きょう・きよう、おもちゃ・おもちや、びょういん・びよういん」 (3) 促音・拗音の抜けた文章の間違いを見つけて、正しい文章にする。 例文 : 「きう、じてんしにのて、川にいたよ。いぱいさかなをとたよ。たのしかたよ。」 (4) 絵をヒントにして、促音・拗音を含んだ言葉を集めワークシートに書く。 ・どの言葉の次に小さく書く文字がくるのかに気をつけさせる。 (5) 促音・拗音を含んだ短い文章を聴写する。 ・学習活動(3)の例文を用いる。 ・一文ずつゆっくりと問題文を読むようにする。 このような学習を繰り返し行うことで、日記等の文章中の小さく書く字に対する意識が高まり、読み直すだけで間違いに気づけるようになってきた。定着するまで日々の指導を継続していきたい。 (彦根市立平田小)
|