第18回「新しい国語の授業」研究会
「主語」と「述語」を読む
蜂 屋 正 雄

 2月17日に開催された第18回「新しい国語の授業」研究会で提案させていただいた。
 教材は「もうどう犬の訓練」(3年・東京書籍)。「どのようなことが書かれているか、段落の内容に気をつけて文章を読む」ことが目標である。
 そこで、「何が書かれているか」を正しく読むために、本文中のすべての文について、「主語」と「述語」を抜き出すことにより、以下のことを学習させたいと考えた。
 ・「主語」「述語」という基本的な文の構成を理解する。
 ・「何がどうする」の「何が(主語)」を意識して文章を読み、何について書かれているのかを理解する。

@「もうどう犬」が主語になる文は、子どもにもわかりやすい。
A例えば「そして、一才になると、もうどう犬としてのきびしい訓練が始まるのです」のような文では、「は」「が」「も」などの助詞を手がかりにして「主語」を見つける。
B「たとえば、だんになっている所では、つまずいて転ばないように、かならず一度止まります」のように「主語」が書かれていない場合は、「述語」から「主語」を考える。
 このような学習を通して、すべての文の「主語」と「述語」を抜き出した。同じ作業を繰り返す中で、「できる」ようになり「分かる」ようになっていることが実感できた。
 その後、段落の要点を考え、段落の仲間分けをした。

 研究会では、次のようなことを教えていただいた。
○主語と述語を抜き出して、順序を読みとることが学習目標になっているが、本教材はそのような学習目標にあった教材ではないのではないか。
○「主語と述語」を追いかけるだけでは、3年生の学習である段落の要点を読みとる上では、言葉が足りないのではないか。
○主語と述語に修飾語を加えることで段落の要点を容易に作ることができる。
○修飾・被修飾の関係を学習する上でも、その基本文型である主語・述語を的確に抜き出すことは役に立つ。

 「何が書かれているか」を正しく読むことは、国語科だけでなく、どの教科においても日常の学習の中でつねに必要とされる。しかし、子どもたちは「なんとなく」分かった気になって読み進んでいることが多い。今回の学習が、子どもたちの「読む力」の向上につながればと思う。
(草津市立笠縫東小)