卒業文集を書く
北 島 雅 晴

 卒業文集は、10年・20年後の私へのメッセージである。大人になってから自分の文章を読み返した時、
「小学校6年生の私って、なかなかやるじゃないか。」
と感じるような内容にしたい。現在の自分自身の書く力を十分に発揮して書いてほしい。
 卒業文集は、将来の自分の道標にもなってほしい。これから自分が大切にしたいことがはっきりと分かる文章を書くことで、中学校生活へのつながりをもつことができる。このような卒業文集の意義を子ども達に伝えて学習を始めた。

1.思い出
 6年間の学校生活をふり返って心に残ることを1つ決めて書く。話題が偏らないように、次の3つの分野を設定し、子ども達が話し合って分担を決めた。
 ○日々の学校生活(各学年の学習や生活)
 ○学校行事(校外学習など)
 ○友達
 文章量は500字程度であるが、挿絵も入れて読んで楽しいものにするように心がけた。

2.成長または夢
 成長または夢、どちらかのテーマを選んで書く。1人、1200字程度の本格的な作文である。
 【成長】 この6年間をふり返って、自分が大きく伸びたことは何かを書く。
 【夢】  将来どのような仕事をしたいか、何を大切に生活したいかを書く。
 成長を選んだ子については、読書生活を取り上げた子が多かった。本年度、読書に力を入れて取り組んだことが影響したのだろうか。
 将来の夢では、現実的な職業を選んだ子が多い。お母さんの働く姿に接して、自分も同じようにやってみたい、できればお母さんと並んで仕事をしたいといったように、かなり具体的な自分の将来の姿を描いている。

3.私の大切にしたいことば
 毛筆で書いた作品を縮小して掲載する。
「笑顔が一番」「明朗快活」「ぼくの大切なものそれは友達」「ありがとう」「夢は叶えるもの」といったように、ありふれたものを選ぶのではなく、これからの生活で大切にしたいことばを選ぶようにした。

 文集の最後に、卒業生の保護者の協力を得て、我が子に宛てたメッセージを載せた。全体で200ページになった。子ども達も、自分の思いがしっかりと書けたことに満足している。
(草津市立志津小)