本棚  ブックウォークで子どもが変わる
井上一郎 編著 BK1
明治図書 2005.2 1960円
ブックウォークで子どもが変わる

 2001年に「子どもの読書活動推進法」が制定されて以来、多くの施策が実施され、学校でも「朝の読書」が広がってきた。小学生の読書量は増えてきているが、中学生・高校生の不読者は相変わらず多い。学校で時間が設定されれば読むが、主体的に読書する習慣がついているわけではない。

 著者が提唱する「ブックウォーク」は、「読書することが、日常生活に根付く」ようにと意図されたものである。「本と一緒に生活し、生活と一緒に本を読んでいこう。あわてず、ゆっくり、だけど目標を決めて歩いていこう」というのが、この運動の精神である。

 まず、3枚のカードが入った封筒を子どもに渡す。
 1.宣言書…取り組む期間、読む内容(どんな本を読むか)、読み方(○日間で○ページ読むなど)、読む量(冊、ページ数)を書く。
 2.読書カード…読んだ本を記録する。
 3.認定書…期間が終わったら認定者が認定する。

 子どもが自由に目標を設定して取り組むところに意義がある。目標の達成感や成就感によって、読書の楽しさや喜びを体験し、読書習慣を形成しながら、豊かな読書生活ができるようにするものである。(常諾真教)