日記を見直そう 〜書き出しに気をつけて〜
北 島 雅 晴

 子ども達の日記をよりよいものにするための取り組みである。
「今週の日記は、書き出しに気をつけて書きましょう。今まで書いたことのないような文から日記を書いてみよう。きっといい日記になります。その後の文章は気にしないで、とにかく書き出しだけ工夫してみましょう。」
と、子ども達に話した。

 次の日、書き出しの部分だけを小さな用紙に書いて友達同士で交流した。以下は、書き出しの例と子どもの感想である。

 「右目も左目もAでよかった。」
 これは、視力検査の結果です。

 今日は、朝からくもり空です。

 今までの戦争では、何人ぐらいの人がなくなっているのだろう。

C 会話文から始めたのがよかったです。
C これからどんなことが起きるのかなと思って、次が読みたくなりました。
C 始めに自分の言いたいことが書いてあるので分かりやすい。
 これらの意見が、よい書き出しにするためのポイントとなる。

 3日後、「作家の書き出しに学ぶ」という学習を行った。図書室に行っていろいろな本の書き出しの所だけを読んでみる。自分の気に入った書き出しが見つかったらノートにメモをするというだけの単純な学習である。手当たり次第、本を選んでいる子もあれば、自分の読んだ本をもう一度確かめている子もあった。次の日の日記には、作家の書き出しの一部を取り入れたものもあった。
 書き出しをを工夫することで、書きたいことをはっきりさせたり無駄のない引き締まった文章になったりといった効果があった。

 6年生の子ども達に毎日日記を書かせている。毎日書くことは、それほど簡単なことではない。書く内容が決まらず、ずっと考え込んでしまう日もある。書き始めてはみたものの、何度も立ち止まってしまうことも多い。
 それぞれの子に応じたコメントを書くように努力をしたり、常に日記そのものを話題にして話をしたり(よい題材や書きぶりをほめること)している。
 そして、もう一つ気をつけたいことは、子ども自身が日記を大切にすることである。「書いてよかったな」「いつまでも日記を残しておきたい」という思いをもつことができる日記を子ども自身の手で作っていってほしい。
(草津市立志津小)