行事作文 運動会編
蜂 屋 正 雄

 今年も、毎週末の宿題には作文を課している。
 今回は、運動会についての作文を繰り返し4回書かせた。毎週の指導として、出来事を並べるだけでなく、自分の気持ちを書くことを繰り返し朱書きしてきたが、書き直しをさせるのは今回が初めてである。今回の目的は2つ、「 」の使い方など文法的な復習と自分の気持ちの書き方のヒントを示したいということである。

 1回目は、運動会終了後の宿題として書かせた。子どもたちに指示したことはひとつ「順序よく書きましょう」である。子どもたちは、とにかく順序に気をつけて、朝あったことから閉会式までの出来事をそれぞれの書き方で書いてきた。
 2回目は「自分が一番心に残っている種目だけを詳しく書きましょう」という指示を出し、特設の作文の時間として1時間とって書かせた。その時には、教師の作文モデルを黒板に書き、参考にさせた。 書き出しのアドバイスとしては
 ・「よーい、ドン」など、競技の始まる合図から始める。
 ・いよいよ80m走が始まった、など、自分の心の中から始める。
 ・5年生の100m走が終わり、次はいよいよ僕たちの80m走 です。僕は…、から始める。

 3回目は、次の日の朝自習で、自分の思いや考えをくわしく書くように「その時考えたことは?」「誰かと協力してした作戦はありますか?」などの、アドバイスを朱書きして返し、作文を課した。

 4回目は翌日に、もう一度文法的な間違いだけを指摘し、清書させ、作文でよくなったところ、内容に対する感想を書いて返した。
 80m走のことを書きながら、どう書こうかと悩みながら、毎時間少しずつ書き足していたS君は、その都度「走りながらどんなことを考えていましたか」「走り終わってから思ったことはありますか」「周りの様子を覚えていたら書いてください」という朱書きのアドバイスを受けて、「やっと完成した、結構いいできちゃうかな」と満足そうであった。
 N君は、走りながら考えていたことや練習の時の様子、走り終わったときの思いなどを書き加え、今までで一番自分の思いや考えを書き入れた作文ができた様子。

 今までで一番、自分の思いや行動を詳しくかけた作文であり、子どもたちも抵抗なく何度も書き重ねることができた。また、「 」の使い方や自分の名前など、作文の形式を繰り返し復習できた。話し言葉は改行して、思った言葉は改行しないといったあたりの曖昧さを少しだけ解消できた。
(草津市立笠縫東小)