第34回国語研究集団合同研究会
本当に好きだから
北 島 雅 晴

 合同研究会の2日目に新谷照代先生の講演がありました。新谷先生とは、以前同じ職場で勤務したこともあり、楽しい絵本を紹介してもらいました。今回も、どのような本を紹介してくださるのか、読書指導の進め方についてどのような話題が取り上げられるのか、楽しみにしていました。新谷先生のお話を聞くと、次の3つのことを感じます。

1 新谷先生は、本当に本が好きだということ
 講演の中で、何冊か絵本を読んでくださいます。本当に楽しそうな朗読です。たとえ絵を見ていなくても、物語の世界に引き込まれてしまいます。本当に好きな本を選んで、ていねいに朗読されるので、聞き手にも本の魅力が伝わってくるのだと感じます。

2 新谷先生は、子どもに本を薦めるのが大好きだということ
 講演の中で、こんな取り組みが紹介されました。
 新谷先生が、1年生の子ども達に教室で読みがたりをしました。1年生の子がとても喜んだ本だったので、
「書きたい人は、作者に手紙を書いてみよう。」
と働きかけました。すると、休み時間を使って、一所懸命に手紙を書く子ども達の姿がありました。新谷先生は、その作者とお知り合いだったので、1年生からの手紙が届いたら返事を書いてくれるようにお願いしてあったそうです。
 子ども達の手紙を書こうとする姿や作者から返事をもらった嬉しさが伝わってくる取り組みでした。 「子ども達に本を読ませたい」という思いが、先行しがちなのですが、新谷先生のご実践は、本当に無理のない楽しいものでした。

3 新谷先生の講演はお金がかかるということ
 講演の時は、必ず、講演で話題にする本の一覧表を用意してくださいます。今回は、25冊です。私は、講演の後は、必ずといってよいほど、本屋に立ち寄るようにしています。というよりも、立ち寄りたくなります。紹介してもらった本の一覧表の中から何冊かを選んで購入し、自宅ですぐに読んでしまいます。

「絵本を読んであげたからといっても、すぐに成果が目に見えるものではありません。心に種をまく仕事だからです。」
 講演はこの言葉で終わりました。たとえ何年生を担任したとしても本の楽しさを伝えていきたいと思います。我々教師に元気を与えてくれるお話でした。
(草津市立志津小)