第34回国語研究集団合同研究会
実 践 提 案 よ り
川 那 部 隆 徳

 今回の合同研究会では、4集団からの実践研究発表があった。以下、3つの発表(さざなみ国語教室からの発表を除く)についてその概要を紹介する。

国語力を活かす そして伸ばす」(6年生) 富岡淑佳教諭(東風の会)
 国語力を様々な場で培い、発揮させようとするグローバルな視野から日々の取り組みをすすめた実践である。国語力を磨く場は、他教科にも及ぶ。
 様々な取り組みの中でも、6年生最後の国語の授業での実践が目をひく。「海の命」(光村6年)の学習をモデルに、「今、君たちに伝えたいこと」「生きる」(各光村6年)のいずれかを選択してグループ学習をすすめた。そして、グループ間の交流の場を多く取り、3作品との出会いが子どもたちのこれからの「生きる」力に結びつくことを意図した構成が斬新であった。

じっくりと考えたくなる授業づくりをめざして」(2年生) 馬場紀江教諭(国語教師竹の会)
 「自分で静かに考えてみることや、友だちと話し合う過程を、楽しみとしてくれるような」授業づくりをめざし、「たんぽぽのちえ(光村2年)」における学習成果についての実践発表である。
 「ひとり勉強」と「共同学習」を適時取り入れ、自分なりの読みをつくりあげていった実践に学ぶところが多かった。たんぽぽの軸について様々な視点から「ちえ」を追究していく過程で、子どもたちの気付きや読みの深まりがすばらしかった。

言葉にこだわって読む力をつける」(6年生) 小川訓端教諭(国語教師泉の会)
 「根拠を本文中の言葉に求める読みをする」ことをねらいとした説明文「生き物はつながりのなかに(光村6年)」の実践である。2つの話し合い場面での子どもたちの読みの高まりが光る。
 1つは、「つながり」をキーワードに、教材文が指摘する生き物の特徴である三つのつながりを話し合いからとらえ、その過程で段落構成について考えた場面である。
 もう1つは、まとめの段落における筆者の主張をとらえようとした場面である。
 文章中の言葉を根拠に自分の読みを発言する姿、友達の読みと比べながら発言する姿がみられ、一語一文をじっくり読む習慣の根付きが感じられた。

 本文中の言葉を手がかりに、自分の読みをもち、それらを全体の場で交流することを通して、事物を様々な視点からとらえ、さらに読みを高めていく単元構成に3実践の共通点が見出せる。
(滋賀大学教育学部附属小)