本棚
ことば遊びの楽しみ ことば遊びが好きな人は、日本語が好き、日本語に関心が深い、そんなことはないだろうか。 本書は、ことば遊びの世界への案内書である。著者が子どもの頃から親しんできたもの、古今の名作、著者による新作などが紹介される。子どもの時に言っていたと懐かしく思い出すものも多い。 最初に取り上げられるのは、「しゃれ」。日本語は音の数が少なく、発音の許容範囲が広いから作りやすい。同音異義語も多い。和歌に使われている「掛けことば」も本質的にはしゃれと同じである。 他にも、漢字遊び、なぞかけ、むだ口(何か用か九日十日)、無理問答(一枚でもせんべえとは、これいかに。一個でもまんじゅうというがごとし)、回文(竹やぶ焼けた)、アナグラム、いろは歌、早口ことば、折り句、矛盾文、ルートや年代を覚えるための語呂合わせなどさまざまなことば遊びが紹介されている。教室に持ち込めば、子どもが楽しめるものも多い。 あとがきに著者は言う。 「日本語が危ない。…実感として日本語に対する関心、知識、愛情が国民的なレベルで年ごとに薄くなりつつある、と、そんな懸念がある。 …母国語への関心、知識、愛情が薄れたら、その民族の文化性は危うい。」 (常諾真教)
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