「作文スケッチ」の学習
三 上 昌 男

 3年生の作文の授業を週1時間担当している。1時間の中で、本時の学習課題を提示し、書く内容に関わる言語活動を行い、作文を書き、交流するという過程を基本としている。時間ごとに学習テーマが異なる場合もあるが、同一テーマでシリーズ化して数時間取り組んだものもある。「季節の言葉を集めて」という学習テーマは、年間を通して何回か取り組むよう計画している。
 ここでは、1学期に3週連続で実践した「作文スケッチ」の学習について紹介したい。

 1回目は、作文スケッチの対象を「身の回りの物」とした。筆箱や水筒、コップなどを選び、形・色・大きさ・絵柄など、物の特色を捉えて書くことができた。
わたしのふでばこは、ピンク色で、ふただけとうめいです。ふたは、とりはずして開けしめができます。形は長四角で、長さは十八センチあります。(以下略)
発表の時は、文章を読み上げ、どの物を表現しているかを当てるクイズ形式で進行すると、集中して聞き合うことができる。

 2回目は、「場所」を表現対象とした。二階の教室の窓から見える中庭の様子と、実際に中庭に出て見える様子を比べて書く活動を展開した。
教室から見ると、木が十本ありました。一本だけ、せのひくい木がありました。木の葉っぱがいっぱいでした。木の下に白い花が少しさいていました。
 太ようの広場(中庭)に行って見ると、木のえだがよく見えました。思っていたよりたくさんの白い花がさいていました。オレンジ色の花もありました。
見える物の違いや見え方の違いに気付き、表現することを大事に指導した。

 3回目は、「人の動き」を表現対象とした。目と耳を働かせ、教師の動きを捉えて文章化することに取り組んだ。
先生が、ドアを開けて教室に入ってきました。教室に入るとスキップをして、前のつくえのところに立ちました。りょう手を上げ、にこにこわらいながら「ヤッホー。」と言いました。
より詳しく動きを捉えて表現しようと、意欲的に取り組む姿が見られた。また、友達の動きを表現する活動へ発展していった。
(近江八幡市立八幡小)