書く準備運動(6年)〜10分間作文の取り組み〜
北 島 雅 晴

 どの教科でも、準備運動が必要である。体育はもちろん、音楽では発声練習をすると、歌声がきれいになる。図工ではクロッキー、算数では基礎的な計算練習など、それぞれの教科でくり返し取り組んでいきたいものがある。それぞれの教科における基礎的な学習内容であり、学習する心構えとなるような活動である。
 国語科では、音読・簡単な視写などがあるが、今回は、10分間作文に取り組んだ。

 10分間作文のねらいは、次の3つである。
○どんな題材でも書くことができるようにする。(題材の広がり)
○集中して書くなど、書く姿勢をつくる。
○書き慣れることを通して、書くことに自信をもつ。

 学習の手順は、きわめて簡単である。
@書く題材を教師が提示し、書くための構想を練る。(5分間)
A10分間書きつづける。

《@の活動より》
 第1回目は、次の3つの中から選んで書くこととした。
 「どこへ行くのかな」
 「輝いている人」
 「どうしてそうなるの」
 実際の出来事でも、作り話でもどちらでもよいこととした。はじめは、「こんな題材で書けるのだろうか」と、不安な表情を示す子が多かった。5分間、一切話をせず、どんなことを書くかを考えさせた。書くことが決まっても、5分間は鉛筆を持ってはいけない。3〜4分もすると、今度は逆に早く書きたいという表情を見せる子が増えてくる。書くことが決まるというのは、書く意欲を大いに高めることになる。

《Aの活動より》
「ようい、はじめ。」
の合図で書き始める。10分間という制限時間があるので、子ども達は、一言も話をせず、書きつづける。書き終わる2分前の指示を出し、作文を書き終える方向にむかうようにする。
 10分間たつと、最高で700字程度、一番少ない子で200字程度、ほとんどの子が400字程度の文章を書いてしまう。
 ・深い森に迷い込んだ話
 ・輝いているビル=ゲイツ
 ・妹とけんかをするといつも自分が悪者にされてしまうこと
など、個性的な作品が生まれる。
 短い時間でも、集中して書くと、満足できる文章が書けるということを実感できた学習である。この学習は、5〜6回行うと効果が上がる。
(草津市立志津小)