ノ ー ト は 宝 物
北 島 雅 晴

 入学2日目に、ひらがな「つ」の学習をして以来、この1年間で国語のノートを6冊以上使ってきた。ノートがどんどん増えていくことが、学習を一所懸命したことととらえて指導を進めてきた。そして、ノートを宝物としていつまでも残しておこうとするような中身のあるものにしようと考えた。

 ノートの中には、日々の国語の学習とともに、家庭で書く日記も含まれている。日記を多く書く子は、それだけノートを多く使うことになる。
「国語のノートがなくなったのでください。」
と言う時の子どもの表情には、うれしさを感じ取ることができる。
「昨日、日記を5ページ書いてきた。」
「昨日、お手伝いをしたらほめられた。」
といったように、登校した時、日記のことで話をする子が増えた。

 2学期からは、保護者にも国語ノートに参加してもらうようにお願いした。子どもの日記に対してコメントを書いてもらうことが中心である。
○子どもの日記のよいところをほめる。
○子どもが十分に書き切れていないことを補足説明する。
○日記を通じて子どもと話をしたことを書く。
といった視点からのコメントをお願いした。

 《保護者のコメント例》
めだまやき、じょうずにできましたね。わるときにからをいれないことと、火をつけるときとフライパンで、やけどをしないようにきをつけてね。こんどはおかあさんにもつくってね。
「料理を作ったこと」というテーマで日記を書いた。その時の保護者のコメントである。子どもがめだまやきを作っているところを見守り、子どもが日記を書いた後にもコメントを書いていただいた。お母さんが参加してくださることで、子どもも一所懸命日記を書くことができる。

 3月22日。最後の日記を書いた。次のようなコメントをいただいた。
この一年間、この子なりにがんばって日記を書いてくれました。先生の温かいコメントを親子共々楽しみにしていました。今まで使ってきた国語ノートは宝物として残しておきます。本当にありがとうございました。
(草津市立志津小)