よく聞いて書こう
蜂 屋 正 雄

 段階を追って続けてきた1年生の書くことの学習も、@主述の関係、A句読点、B段落の使い方、Cよく見てくわしく書くとつづき、終わりに近づいてきた。今回は、前回の「よく見て書く」という学習からステップアップして、音をカタカナで書く学習『よく聞いて書こう』を行った。
 前回の「よく見て書く」という学習では、教師が立てる音については言及せずに、教師の動きや表情から見て取れる「様子」を中心に書くことの学習をした。

 今回の学習では、教師の様子だけでなく、その時にたてる音に注目して書くように指示した。活動に入る前に、「扉を開ける時の音は?」と子どもに聞いたところ「ゴロゴロ」「ガラガラ」「ガランゴロン」など、いろいろな表現が出てきた。どんな音で書いてもよいよと言った後に「コロコロ」「カラカラ」ではどうか聞いてみると、それは違う気がするという意見にみんな賛同した。どんな音でもよいが、それぞれに当てはまる適切な音があるようだということを押さえておいて、「先生が、ガランゴロンとドアをあけました」と板書し、ノートに書いた後、以下のような学習活動を行った。

 教師の様子をよく見て書くという学習を重ねてきたので、子どもたちは落ち着いて楽しみながら書くことができた。
 教師の動きは、
 @ドアを開ける。
 Aドアを閉める。
 B大またで足音を立てて歩く。
 C向き直って、おわり。
 評価は、音の表現が入っていれば「合格」とした。今までの学習の成果か、「先生がドシンドシン とかいじゅうみたいに足音を立てて」「先生がどろぼうみたいにガラガラととびらをあけて」(のぞき 込みながら入っていったからだろう)など、音だけでなく、前後の様子も工夫して書いていた。

 子どもたちの書いた作品をそれぞれ10人程度ずつワープロで打ち直して、子どもたちに配って紹介をした。また、このような活動を3時間行った。前半が前回の作品紹介、後半が書く学習となる。子どもたちも保護者も、紹介された前回の作品を参考にしながら、楽しみながら作文の学習に取り組むことができた。
 子どもたちは、毎回、自分の作品が紹介されるのを楽しみにしている。自分で上手に書けていない、もっと上手に書きたいと感じている子も、友だちの作品を見ることで、よいところや面白いと感じる表現、好きな表現をさがしながら、自分の表現として取り入れていく姿が見られた。
(草津市立笠縫東小)