見学記録を残そう
西 村 嘉 人

 社会科の校外学習で「金閣」「銀閣」「二条城」を訪れることになった。社会科の学習だけで終わらせるのはもったいないと、国語科で「見学記録文」を書く学習を進めた。

【見学前】
 学習のねらいと計画を子どもたちに示した後、今回の校外学習で期待することを先ず書かせてみた。
 ○資料集で見たように金閣は金色に輝いているのか見てみたい。
 ○銀閣は銀箔が貼れなかったと書いてあったが、どんな感じか自分の目で確かめてみたい。
など、社会科の学習で抱いていた自分のイメージを確かめてみたいという思いが子どもたちのなかに広がった。
 この後、見学先についての調べ学習を行う時間を1時間設定した。

【見学中】
 校外学習であるので、見学先についてのメモは必ずとるようにバスのなかで書く時間を設定した。また、ガイドの説明についても必要があればメモに書き留めるようにさせた。

【見学後】
 見学後に先ずまとめさせたのが「目にした事実」である。時間がたつと、「感想」なのか「事実」なのか曖昧になってしまうので、事実だけを記録する学習時間をとった。
 その後、これまでにまとめてきた「見学への期待感」「見学先についての調べメモ」「目にした事実」を読み比べながら、「見学先についての感想」を書きまとめるようにさせた。
 三か所の見学先に「はじめに」と「おわりに」をつけて、全5章の構成で見学記録文を書きまとめる見通しをもたせた後、実際に書く活動に入った。

【児童作文例】
 「二、実は別荘?銀閣寺」
 銀閣寺は、八代将軍足利義政が建てたお寺で、書院造が取り入れられた二階建てである。京都の東山に千四百八十九年にできた。  わたしは、書院造特有のわび、さびというところがとても見たかった。
 実際に見てみたところ、先ず庭がとても広いことが分かった。その庭には、コケがとても多くあり、木などの植物がとても多かった。展望台のようなところもあった。
 何より心に残ったことは、砂でできている向月台という山と、銀沙灘とよばれる…… 
(以下略)

 こんな調子で原稿用紙に5枚を書いている。「原稿用紙5枚以上」が課題であったが、気軽に書ききった子どもたちである。
(彦根市立城南小)