お 話 づ く り
北 島 雅 晴
子どもたちは、お話づくりが大好きである。想像を膨らませて、自分の考えた世界を作り出すことに魅力を感じるのであろう。 本年度は、1年生を担任している。お話づくりのねらいとして、次の2つを設定した。 ・どのような話にしたいのか、よく考えてから書く。 ・お話を作ることを楽しむ。 今回の学習では、想像した世界を書くことが楽しいと感じるような働きかけをしたいと考えた。 「今までに、お話を作ったことがあるかな。」 と問いかけると、2名が手を挙げた。どんな話を作ったかと聞いても、「忘れた。」と言うだけである。(はずかしくて、言いたくないようにも感じた。) ほとんどの子にとってはじめてのお話づくりになるので、作りやすい題材にしようと考えた。 約束 その1 題名を「ふしぎなぼうし」にする。 約束 その2 主人公を「えっちゃん」にする。 どんな不思議なぼうしにしたいかを話し合った。 「鳥の話が分かるぼうしにする。」 「ぼくは、かぶると体が小さくなるぼうしにします。」 「体が、小さくなるのだけど、虫と一緒に遊びたい。」 「ぼうしをかぶると、魔女になって飛べるようになる。」 はじめの1時間は、できるだけいろいろなアイデアを出し合い、発想が広がるようにした。 約束 その3 書き出しを決める。 2時間目。書き出しで戸惑う子がいるので、書き出しを統一した。 「えっちゃんは、さんぽにでかけました。木の下に、ぼうしがおいてあるのをみつけました。」 ここまでを一斉に視写してから、そのつづきを書かせるようにした。どんなぼうしなのか、どんなことが起きるのかを考えながら書くように指示した。 【作品例】 一部抜粋 かぶったとたん、小さく小さくなりました。ありぐらいになりました。ありぐらい小さくなったので、ありとドッジボールができるようになりました。ありは、とびあがったりしてよけました。えっちゃんは、あたってばかりです。けど、ドッジボールがとくいなありによけかたをおそわって、えっちゃんは、どんどんよけるのがじょうずになりました。 書き始めるまでに苦労する子もあったが、書く内容が決まると、集中して書きつづけることができた。出来上がった作品を友達同士で楽しそうに読み合う姿が印象に残った。 (草津市立志津小)
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