例から広がった詩の学習
岡 嶋 大 輔
3年生の教室。いろいろな視点で物事を見つめ、言葉に表して友達と楽しもうと、詩を書く取り組みをした。今回は、「たとえて表す」「○○になる」「生活の中から」の三つの視点を示して書くようにした。 「たとえて表す」詩では、まず、次のような詩を例として出した。 えんぴつ「えんぴつ」を「ロケット」、「筆箱」を「はっしゃ台」に例えていることを押さえた。 その後、教室の前に掛けてある時計は、何に例えられるか考え合った。「お月様」「お皿」「針の兄弟」「針の追いかけっこ」「四時四十分になったらひげのおじさん」等、たくさん出てきた。 また、「○○になる」詩では、次のような詩を例として出した。 バナナ「生活の中から」も例を示し、その後、詩を書く時間を設けた。まずは、書く題材を出し合った。身近なところから消しゴム、机、ランドセルなどが出て来、お父さんやおじいちゃん、犬や猿、手や足、心などとたくさん出てきた。後は、インスピレーションに任せ、書いていった。書きながら、おもしろい題材や書き方があったら教師がみんなに紹介していった。 文章を書くのが苦手な男の子たちに人気だったのは「○○になる」詩だった。教師が示した例の書き出しやほとんどをまねすることでどんどん書ける子も何人かいた。 ごきぶりこの詩を「うまくできたやろ」と持ってきた男の子。いつもは悪ぶっているが、優しい言動も光っている。みんなが嫌がるごきぶりを題材に選び、肯定的に書くところが彼らしい。例を示して書くようにした良さが生きた授業だったと思う。 (滋賀大学教育学部附属小)
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