段落の関係を理解する 〜カレーの旅(4年)
吉 永 幸 司

1.教材について
 教材「カレーの旅」(森枝卓士 大阪書籍4年下)は「カレーはどこからきたのでしょう」という問いから始まり、「今、もっとも親しいカレーも、すいぶん長い旅をしてきたものですね」と結んでいるように、カレーの旅の経路や由来(インド・イギリス)を説明した文章である。文章全体は初め、中、終わりという構成であり、4年生にとってそれほど難しい内容ではない。

2.目標について
 カレーについて知るという説明内容の理解と共に、どのように表現しているかという段落相互の関係について、読み取り力を育てることが大事である。
 そのためには、叙述に即して丁寧に読むようにさせる。

3.指導計画について
 先ず、全体を通読し、興味を持ったことなどを中心に内容の大体を理解することから始める。
 次に、インド・イギリス・日本のカレーについて説明していることがらを読み分け、段落の関係を理解させる。
 さらに、文章の細部にわたって説明の仕方を吟味するというように全体から部分へと読みを焦点化し、文章に布置された語句に興味を持たせる。
 発展として、食に関する本を読ませる。

4.授業の構想 (段落の関係を読む)
(発問1) 「カレーの旅」を読み、初めて知ったことやなるほどと思ったことを発表しよう。
(子どもの反応)
 C インドではカレー粉で味を付けて食べる。
 C イギリスでは、シチューのような伝統料理にカレー粉を加えてカレーにした。
 C 日本では明治の初め頃にイギリスから伝わった。
(発問2) 文章では、インド・イギリス・日本のカレーについて書いています。それぞれの国のカレーの説明はどの段落でしていますか。
(子どもの反応)
インド・イギリス・日本のカレーという言葉で具体的に説明をしている言葉を根拠に段落ごとに説明の内容を理解する。 例 インド…3、4、5、6段落
(発問3) 7と11段落は直接インド・イギリスという根拠になる言葉がありません。この段落はどこの国を説明しているのでしょうか。
 このように働きかけ段落相互の関係を明らかにする言葉(例えば接続詞や指示語)を見つける学習へ広げていく。
(京都女子大学)