研究・組織の活性化 〜3部会の試み〜
吉 永 幸 司

 本校では、本年度、校務分掌の大きな見直しを行った。学校長の構想を元に、昨年度末に基本案を作成し、本年度に入ってから、修正を加えて試行している。具体的には、児童の健やかな成長を支えるために3つの部会に全教員が所属し(各部会6名ずつ)、毎月の定例部会で各担当の職員会議案件等を検討している。昨年度まで学年をベースにしていた校内研究も、本年度は部会で進め、部会の特徴を表した研究授業も行う予定である。定例の部会の中に研究を推進するための時間を設定して進めているため、いわゆる研究推進委員会は本年度設置していない。部会終了後、各部会の代表者で交流をし、必要に応じて全体研究会を実施している。

 さて、3部会を具体的に紹介しよう。
 第一は、「確かな学び部会」である。「学習意欲を高め、確かな学力を身につけさせるために」を目標として、教科等の指導、少人数指導、朝の学習、研究と研修、環境教育、情報教育、人権教育などが含まれている。

 第二は、「豊かなこころ部会」で、「思いやりいっぱいの子どもをめざして」をテーマにしている。生徒指導を中心として、道徳、特別支援教育、障害児教育などが含まれている。

 第三は、「たくましいからだ部会」で、テーマは「自分たちで創り出し夢中になって活動する子どもをめざして」。特別活動を中心として、体育、健康安全などが含まれている。

 メンバーは、前述したように管理職も含めて6名ずつ(18名が本校の教員数)である。教科や管理部門は、基本的に3部会と別枠に考えているが、それでも矛盾点はある。例えば、養護教諭は健康担当として「からだ部会」に所属しているが、教育相談に関わる仕事も多く、特にカウンセラーとの面談調整など学校の窓口として活動している。こころの健康を考えれば、「こころ部会」にも所属してほしいところだが、部会を兼ねることはできないため、生徒指導主任が教育相談主任も兼ねる形でしのいでいる。
 こうした問題点も実践しながら整理し、協議検討し見直して次年度につなぐ形で、数年がかりで学校組織・校務分掌が固まればよいと考えている。

 私は、「学び部会」のまとめ役をしている。研究主任でもある。この部会では、秋に少人数の算数で研究授業をしようと準備を進めている。
 「こころ部会」では道徳の研究授業を、「からだ部会」では体育の研究授業を予定している。それぞれ、実践家を講師として招き、研究を活性化したいと考えている。
(大津市立仰木の里小)