観察の仕方を学び観察力をつける
伊 庭 郁 夫

 今年は、4・5年生の理科と5年生の図工の授業を担当している。1学期は、「書く」ことを意識して授業に取り組んだ。理科では、観察の仕方を学ばせ、記録することにした。

 次は、「へちまの種子の観察」での一場面。主な学習の流れは次の通りである。
(1) 一人ひとりにへちまの種子を配る。
(2) 五個以上、へちまの種子の秘密を探し、発表する。
(3) ひょうたんの種子を各班に配り、違いを記録する。

 目の前の「へちまの種子」の秘密を発表させた。はじめは、「黒い」「平べったい」「先がとがっている」など、一見してわかる発表が多かった。次第に、「表面がざらざらしている」「大きさは、1センチ5ミリメートルくらい」など、触った感じや、数字を入れた発表が見られるようになってきた。
 さらに、「表面に細かい筋が見られる」「種の一部がへこんでいる」など、細部の観察へと進んでいった。

 その後、ひょうたんの種子を配って同様に観察させる。すると、へちまの種子との対比が生まれてくる。「へちまの種は黒くて平たいが、ひょうたんの種は白くて、厚みがある」「へちまは、先がとがっているが、ひょうたんは長方形みたいで、先が曲がっている」など、次々と発表が続く。 「すごいねえ。たくさん秘密が見つかったね。さすが、4年生」と言うと、子どもたちは、満足そうな表情をしていた。

 種子が発芽したあと、それがへちまなのかひょうたんなのかわからない場面があった。その時、双葉の端に白っぽい種子がついているのを見つけ「あっ、ひょうたんや」とつぶやく子どもの姿があった。

 1学期の終わりに、久しぶりにへちまの観察にいった。絵を描きながら、へちまとひょうたんの違いを見つけるよう指示した。
「ひょうたんの方が葉が大きく、茎が太い」「へちまの葉は、とんがっている所がある。ひょうたんは、全体に丸い感じがする」「ヘチマの葉は緑色をしている。ひょうたんは、ヘチマに比べ黄緑色だ」「へちまの方が、葉を虫に食べられている」「へちまは、上へ上へとぐんぐん伸びている。ひょうたんは、下の方で分かれて伸びている」また、「どちらも、つるがある」「まきついて伸びていく」など、類似点も見つけさせる。私自身、子どもの発言を聞いてなるほどと思うことが何度かあった。

 次は、花の咲く頃に観察である。
(高島市立安曇小)