修学旅行のガイドブック
西 村 嘉 人

 5月の末に奈良県へ修学旅行に出かけた。1日目は、明日香村の史跡を訪ねるグループサイクリング、2日目は東大寺を含む奈良公園のグループ散策である。
 この修学旅行の体験を5年生に伝える「ガイドブック作り」に取り組んだ。目的は「修学旅行に早く行きたくなるように、わたしの体験を伝えよう」とした。
 修学旅行に出かけるまでに3時間。旅行から帰ってきて5時間、合計8時間の指導時数である。

修学旅行までの3時間は、
 ○学習のねらいを知り、ガイドブックの作り方を知る。
 ○ガイドブックの8ページ分(表紙を含む)レイアウトを考える。
 ○ガイドブックを作るための資料集めの計画を立てる。
学習活動を進めた。

 子どもたちは修学旅行を楽しみながらも、明日香村や奈良公園で必要なパンフレットをもらったり、写真を撮ったりしてガイドブックの資料集めも忘れなかった。事前に取材計画を立てていたので、
「石舞台は、写真を撮っておこう。」
「飛鳥寺のパンフレットはもう1部もらっておこう。」
など言いながら、各自が取材場所で自分の必要なものを意識して集めることができていたようである。

 さて、旅行後の5時間である。
 まず1時間は、必要な資料がそろっているかの確認と、資料の整理。集めた多くの資料を読んで、特に伝えたい内容を絞る作業である。事前に計画したガイドブックのレイアウトにしたがって大まかに資料整理を進めた。
 その後、子どもたちはガイドブック作りに取り組んだ。
 自分で撮影した写真やパンフレットに載っている写真を切り抜いてガイドブックに貼り付けたり、見出しを大きく書いたりして全体の形を整えるのに1時間。残ったスペースに写真の解説や見学地の概要を書きまとめるのに2時間。予定していた3時間で何とかガイドブックを仕上げることができた。

 仕上げたガイドブックは、修学旅行を一緒に活動したグループで読み合い相互批評をした後、5年生の教室へ届けた。届けた5年生では、1時間ガイドブックを読む時間をとってもらうことができた。
「とてもおもしろそうな修学旅行なので、わたしも早く行きたいと思いました。」
「亀石って本当にこんな形をしてるの。見てみたいな。」
 教室に届いたこんな感想に子どもたちは真剣に見入っていた。
(彦根市立城南小)