俳句作りを続ける
海 東 貴 利

 その月や季節に関係する言葉(季語)を提示して、俳句作りに取り組んでいる。子どもたちの語彙を広げることをねらいにして毎月続けている。四月は、初めて俳句作る子も多く、五・七・五のリズムや季語があることなど、俳句の基本的なことをはじめに教えた。
 四月は「花」や「桜」に関わる言葉を選んだ。「花の道」「花の窓」「花月夜」など、初めて聞いた言葉や気に入った言葉をノートに書きながら、四月のイメージをふくらませた。季語の重なりがあっても、気にすることなく思い思いに作らせた。後の句会では、自分が作った中のお気に入りの作品を短冊に書き、黒板に貼って全員が発表した。良くできているなと感じた作品の発表の後には、「すごい」とか「おーっ」と自然と歓声が起こり、盛り上がった。

 五月は「若葉」に関わる言葉を選んだ。校庭に藤棚があり、授業の前にみんなで「藤若葉」を観賞した。もう少しイメージが広がるように、「森若葉」や「蔦若葉」など、いくつかの写真を用意した。いざ作品を作る時間になると、指を折って音数を数えたり、黙々と書き出したりとみんな真剣に取り組んだ。二回目ということもあって、四月よりも良い作品を作りたいという、意気込みを感じた。

 六月は「梅雨」や「あじさい」に関わる言葉を選んだ。教卓に紫陽花を飾り、はじめは「額の花」「七変化」など紫陽花について話をした。自宅に紫陽花の花がある家が多くあり、「今日から花の色を観察しよう」という子もいた。たくさんの子どもたちが気に入った言葉は「梅雨月夜」や「梅雨の星」など天体に関する言葉だった。蛍が飛び交い始めるこの時期、国語で学んだ言葉を思い浮かべながら、夜空を眺める子もいるかなと思った。
 六月の俳句作りでは、紫陽花の花の絵を描き、花の横に自分の俳句を書き入れた詩画作品に仕上げた。四月、五月と比べて、子どもたちの作品は少しずつ、個性豊かになってきたように感じる。たくさん作った作品の中から、どれを発表しようか悩んでしまうくらい、みんな良い句が作れるようになってきた。句会の発表の様子を見ていると、自信を持って発表する子が増えてきた。自分の作品に満足しているのではないかと思う。

 紫陽花が赤青ピンク七変化
 雨の夜きらりと光る梅雨の星

 授業後の感想では、もっと作ってみたいという感想がたくさんある。自主的に家庭学習で作品を作ってくる子もいる。私自身、来月は、どんな言葉を紹介しようかと、言葉探しや材料集めを考えるのがとても楽しい。
(高島市立青柳小)