日 記 の 指 導
海 東 貴 利

 毎日の家庭学習の課題として、日記を書かせている。生活指導のことも考え、子どもたちの語彙を広げ、表現力をつけることもねらいにしている。B6サイズのノートに、毎日1ぺージ以上書くように指導してきた。ある児童が次のような日記を書いてきた。

 今日家に帰ってから、○○ちゃんと△△ちゃんの家で遊びました。ずっと三人でしゃべっていました。次に本を読んでいました。終わったら、今度は絵をかきました。そして、五時三十分になったので私は家に帰りました。楽しかったです。

 最初は「たくさん書くこと」が目的だった。しかし最近、子どもたちの日記を読んでいると、表記の誤りに目が向いてしまい、繰り返し添削をするようになってしまった。さらに、内容に目を向けていくと、先の日記に見られるように同じような日常に、言わばコメントのしようがない日記に時間をとられるようになった。表記の正誤も、内容や表現の工夫も大切だと思って、あれもこれもと手をつけるうちに、日記を読むことにものすごく労力を要するようになった。これが十分な指導かどうかも考えるようになった。
 こうした課題に出会って、的をしぼって日記の指導をしていくことの必要性を感じた。語彙を広げることを第一の目的として指導の仕方を考えた。そこで、内容についてのコメントはほどほどにして、表現豊かに書けた文章には、「いい表現だね」というような評価をする一言を書き添えるようにした。文章量がもう少しという子には、「たくさんの言葉を使って、あと二行書いてみよう」という一言を事き添えた。

 今日はめずらしく雨が降りました。朝の登校から雨でした。雨の朝はあまり好きではありません。気分もすっきりしないからです。学校でふと空を見ていても雨。でも見ているのは少し好きです。同じ風景と思っても.毎白少しちがうからです。…帰ってきたら雨はやんで、くもり空。夜にはかえるの合唱。雨や曇りもいいけれど、やっばり晴れの方がいいと思います。

 先に紹介した児童は翌日の日記にこのような天気とその日の気分をテーマに書いてきた。題材を工夫したことや文章の量が増えたことなどを大いに褒めた。その後も文章量を意識して、たくさんの言葉を使って書いてきている。
 指導を加えた翌日の子どもたちの日記を読む時間がとても楽しくなってきた。
(高島市市立青柳小)