花 の 雲 〜俳句の出前授業〜
好 光 幹 雄

 3年生5学級で年間帯単元名「俳句を作ろう」(全24時間程度)を計画した。言葉への感性と語彙を豊かにするための言葉の学習を自学級だけでなく学年に広げようということで、4月、俳句の出前授業をした。

【授業の実際】 4月12日
 1校時目は、校庭の桜や春の花を観察しに出かける。立ち止まっては、花にまつわる話をする。
 2校時目。
T 4月になりました。4月になって咲く花と言えば…。
C さくら。
T はい。さっき見に行ったね。桜です。さっきも言いましたが、日本で春に花と言えば桜のことをさします。では、今日はこの桜=花を使って言葉の勉強をします。
花の門
T さっき学校の門の所の桜を見ましたね。あのように、日本では学校やお寺や大きな会社や工場など門には桜がよく植えられています。春になると門の桜が咲いて、お花で出迎えてくれます。ですからああいうのを「花の門」と言います。
花の雲
T 近くで見る桜もきれいだけど、遠くから見ると桜の木全体がピンクになってきれいだね。何みたいに見えるかな。
C わたがしみたい。
T そう、ピンクのわたがしみたいだね。だからああいうのを…。
C わたがし桜。
T そう、そういう感じだね。でもわたがし桜とは言わないで、空にふわふわ浮いてるもの。
C ああ、雲や。
T はい、雲のようですね。ですから「花の雲」と言います。
花吹雪
T 花が満開に咲いて風が吹くと、花びらがひらひらと散っていくね。ですから、花の…。
C 花の風。風の花。風桜。桜風。
T みんなさん、2年生のときに「かさこじぞう」を勉強したでしょう。地蔵様が雪の中でかわいそうでしたね。雪が風に吹かれている中でしたね。何て言ったかな。
C 吹雪。
T そう。それで、桜の花びらを雪にたとえて花…。
C ああ、花吹雪や。聞いたことあるわ。
C 先生、桜吹雪でもいいんでしょ。
T はい。花吹雪とも言うし、桜吹雪とも言います。
C いいなあ。ぼく、花吹雪好きや。

 他に、花の窓・花の寺・花の道・桜並木・花曇り・花の雨・花冷え・花明り・夜桜・花月夜・しだれ桜・八重桜などを学習した後、 花の門ぼくの弟一年生(教師作) を参考に俳句を作った。
 花の道今からここから三年生 K男
(大津市立堅田小)