「新しい国語実践」の研究会を12月に滋賀県で開催します
森  邦 博

 「言葉の力を育てる国語科授業
 これは今年12月26日・27日に大津市瀬田川河畔「ロイヤルオークホテル」を会場に開催することとなった、第10回「新しい国語実践」の研究会滋賀大会の大会テーマである。

 昨年末の国際的な学力調査の結果報告を契機に21世紀の学力としての「読解力」が低位であるのではないか、学習することへの意欲・関心が低位であるのではないか、などが心配されている。
 学校教育は今まで以上に説明責任を求められている。それは教育の結果に対する責任を求める声でもある。「情報公開」や「説明責任」は、これからの教育を考えるときのキーワードでもあり、教育改革の柱の一つでもある。

 国語科の授業は「言葉の力」、つまり言葉による理解力と表現力、また、言葉に対する興味や関心、言葉を大切にする態度を、確実に育てているかが問われることである。研究会では、言葉の力が育つ授業のあり方について活発な討論が展開されることを期待している。

 さて、副題は、国語科の授業の改善の視点として「目標・指導・評価をつなぎ・みなおす」とした。どのような言葉の力を(=目標)、授業を通じて(=指導)どのようにステップアップすることができたのか、また問題はどこにあるのか(=評価)を説明できることが大切であると考えると、「目標・指導・評価」を一体的に捉え、授業を見直し、改善を図っていくことが必要となってくる。
 このことは第8回北海道大会、第9回千葉大会への参加を通じて私の中にも大切な課題として自覚するようになってきたことでもある。滋賀大会では、教師自身、また子ども自身が学習(授業)の評価者として育つことも大切ではないかという課題を持っている。これまで研究会の成果を踏まえて協議が深まることを切に期待しているところである。

 教育の責任は、昔も今も「子どもを変えること、育てること」であったしこれからも変わることがないだろうと思う。また、「教うるは学ぶの始めなり」の言葉の通り、教師もまた常に学ぶ人であるべきだということも変わらない真実であろう。
 「言うまでもなく、変えていかなければ発展はない。しかし、そこには時代を超えて変わらないものがあることに心至さなければならない。」(中野重人日本体育大学教授「教育における不易と流行」(内外教育 2004.12.14発行5528号より)
 この言葉を読み直し国語教師のあり方を自問している。
(大津市教育研究所)