思い出に残ったことを書き残そう 〜文集づくり〜
蜂 屋 正 雄

 今年は、各学期に一度ずつ「書くこと」の学習に取り組んできた。3学期は教科書単元「1年間の思い出をしょうかいしよう」と合わせて書くことにした。今回は学年で相談し、書いた作文を文集として残すことにした。
 教師の願いは次の4つ。
 @1年間をふり返って自分のがんばりや成長を、書くことを通して実感すること
 A読み手を意識して、読みたくなるような題の工夫ができること
 Bはじめ、中、おわりを意識した段落構成で書けること
 C原稿用紙が正しく使えること

 @については、デジタルカメラに撮りためていた1年間の主な行事の写真をプロジェクターで投影し、4月当初の自己紹介から、3学期に行った琵琶湖一周の校外学習までを見ながら、1年間にあったことを思い出していった。
 Aについては、1年間を通して言っている「カレー屋さんに学ぼう」をキャッチフレーズに、読みたくなるような題を考えた。みんなの題を紹介し、途中で題を変えてもよいことも伝えた。
 Bについては、初めに「ぼくが一番心に残っているのはシーサーづくりです」など、まずどんな話が始まるのかが分かるように。中は「一番心に残っているところ」から書くようにした。おわりは文章全体のまとめや感想を書く。
 Cについては、基本的なことであるが、題、名前の書き方、書きはじめに1マス空けること、段落が変わるときに1マス空けること、そして、会話文は行を変えることを徹底して指導した。

 文集を作ることを、意外に喜んでいる子どもが多かった。一方で、苦手な子からは「忘れたわそんなん」というような声があがった。しかしその後、プロジェクターで活動の様子を見ることで、わいわいとみんなで1年間の思い出をふり返ることができ、苦手な子どももすんなりと題を考えるほうへ意識を向けることができた。
 段落構成については、10人程度しか意識できていなかった。下書きの段階で、「はじめ・中・おわりで考えると、どこからどこまでがはじめ?」と声をかけると、ほとんどの子どもが意識して段落分けができるようになった。それでも、その日にあったことを朝がら順番に書いている子には、一番心に残っていることをできるだけたくさん書くように声をかけた。
 下書きを子ども同士で読み合って思い出をふくらませたり、お家の人に最終チェックをお願いしたりする中で、1年間の自分の活動や生活をふり返り、思い思いの作品を仕上げることができた。
(草津市立笠縫東小)