方言と共通語のよさを考えよう(4) 『言葉発見辞典』にまとめよう(4年生)
川 那 部 隆 徳

 方言と共通語の特性に対する気付きを大切にした学習(本紙270・271・273号)を展開した。本稿は、シリーズ最終回である。

 本学級では、年間を通して『言葉発見辞典』を作成してきている。これは、帯単元として位置づけ、言葉(言語事項)の学習で学んだ事柄を辞典形式に整理しているものである。これまでに、同音異義語、こそあど言葉などについての項を作成してきた。
 今回は、方言と共通語を取り上げ、それらのよさや使い方を辞典の1ページとして学習内容をまとめた。「方言と共通語のよさを考えよう」の第4時にあたる。

T 方言と共通語には、それぞれどんなよさがあるのかについてみんなが気付いたことや感じたことをまとめましょう。
C 方言のよさは、親しい人と話すときに使うと分かりやすく会話ができるし、雰囲気がよく伝わるところです。
C 方言は、気軽に話せるところがいいと思う。
C 初めて、この方言と共通語の授業をしたときは、やっぱり方言の方がしゃべりやすいと思ったけれど、共通語の話しやすさもけっこうあったんだということに気が付いた。
T じゃ、共通語のよさにはどんなところがあるかな。
C 共通語のよさは、日本全国で伝わることや、たくさんの人が集まる場所や目上の人に話すときに使うとよいところです。
C どこでも通じるから、便利。
C でも、友達と共通語で話すと何か変な感じがする。
C 両方によさがある。家だったら方言、デパートだったら共通語と、場所や人によって言い方がかわっていいし、相手が方言で話したら、方言で返してあげると相手もしゃべりやすくていいと思う。

【『言葉発見辞典』−児童感想欄より−】

 方言は、一つ一つの地方の特別な言葉です。そこの地方でしか通じません。だから、方言は便利ではありません。それで、共通語が活躍します。
 共通語はどこの地方でも通じます。だから、共通語は便利です。でも、方言は、その地方だけの独特の言葉があって、一つ一つの地方のよさがあふれていていいと思いました。


T 一言でまとめるとどうかな。
C 方言は方言でいいところ、共通語は共通語でいいところがあって、お互いの欠点を助け合っている。
(滋賀大学教育学部附属小)