授業改善への一歩@ 「音読いろいろ」の授業から
吉 永 幸 司

1、指導の意図と概要
「音読いろいろ」という授業を4年生で実践した。
 目標は「間や声の大小に気をつけて読むと詩の感じが変わる」ということを理解させることであった。
 用意をした教材はワークシート2枚。1枚は谷川俊太郎さんの3編の詩「かえるのぴょん・かっぱ」などを紹介したもの。もう1枚は谷川俊太郎さんの「こわれたすいどう」の音の部分を空白にしたもの(音の部分を空白にしたのは武西良和さんの実践を真似た。)
 指導の時間は1時間。始めに1枚目の詩3編を音読し、次にワークシートの空白の部分を補いながら音読を繰り返すという活動を設けた。

2、授業改善の工夫
 授業改善の工夫として「国語を勉強している」「知恵を出すと楽しい」という実感を持たせたいと考え、次のように働きかけた。

(1) 「質問をする」を指導する
 導入を次のように行った。先ずプリントを配布し名前を記入するところまで指示をした。そこで、 次のように働きかけた。
T このプリントをもとに勉強をします。どんな勉強をするかということを私は考えています。でも勉強するのは皆さんですから、プリントを見て、質問をして下さい。質問をする勉強です。
 この働きかけは具体性を欠くが、指示をされて学習活動を始めることから、自分で活動を生み出すという方向へ働きかけたかったというのが本音である。
C これで何をするのですか。
C この詩を読む勉強ですか。
というような質問がでた。そこでいい質問は何かということを指導して次の段階へ入った。

(2) 「質問に答える」を指導する
 次の段階は「好きな詩を選んで音読をするという活動を設けた。
T 今度は先生が質問をしますから、先生に答えて下さい。
T 好きな詩は選べましたか。
と質問をして、座席の順に質問をし答えを求めた。
 最初の子は「わかりません」次の子は「かえるのぴょん」と答えたので「選べましたか」の答えとして適当でないことを指摘した。
すると、次の子から、
C 選べました。
C かえるのぴょんを選びました。
と、答えるようになった。「その理由は何ですか」などと質問を変えて音読をさせたりした。
 短い時間であったが質問に答えるという場で生きた言葉を考えさせた。
(京都女子大学)