方言と共通語のよさを考えよう (3) 方言と共通語のどちらで話そうか(4年生)
川 那 部 隆 徳
方言と共通語の特性に対する気付きを大切にした学習(本紙270号、271号参照)を展開した。 本時(第3時)のねらいは、様々な場面に応じて、方言と共通語のどちらを使うのが適しているかを役割演技を通して考え、方言と共通語それぞれのよさに気付くことができることである。 【授業展開の流れ】 (1) 方言・共通語のそれぞれで表した会話文から、受け取る印象を比べる。 (2) 場面や状況に応じて、方言で話すか、共通語で話すかを考え、即興で役割演技をする。 ・教室で掃除をしている場面 ・全校集会でステージに立って話している場面 ・お店で買い物をしている場面 (3) 方言と共通語のよさを話し合う。
C 共通語で話していた。 T なぜ、共通語で話したのかな。 C1 普段、デパートへ買い物に行ったとき、店員さんは共通語で話しているから、私も共通語で話しました。 C2 私も、買い物に行ったとき、店員さんに話しかけるときは、共通語で話しているから、演技をするときも共通語を使いました。 T 演技を見ていた人たちは、普段どうしていますか。 C 共通語で話している。 C お店には、いろんなところからお客さんが来ているから、方言で話していたら意味が分かってもらえないので、店員さんは共通語で話すのだと思う。 C 会社の人は、共通語で話すようにしているのだと思う。 T じゃ、お店が、魚屋さんだったらどうしますか。演技をやってみましょう。 (魚屋さんでの役割演技後) C 魚屋さんでは、方言で話した方が、お店の人が元気で、魚が新鮮でおいしそうな感じがする。 C 魚屋さんに来る人は、近くに住んでいる人がほとんどだから、方言で話しても、分かってもらえると思う。 C 京都の錦市場はいろんなところから人が来るから、魚屋さんも共通語で話していた。 自身の経験を交えながらの話し合いが続き、方言と共通語のよさが浮き彫りになっていった。 (滋賀大学教育学部附属小)
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