討論会、またはポスターセッション
伊 庭 郁 夫

 1単元を6年生のクラスで授業した。単元は、「人類よ、宇宙人になれ」である。
 授業の出口として「討論会」または「ポスターセッション」による話す・聞く学習を設定した。主な学習の流れは次の通りである。

1 「宇宙」から連想する言葉を考え、イメージを広げる。
2 小見出しを参考にしながら、筆者の考えを読み取ったり、感想を書いたりする。
3 大きな段落ごとに、筆者の考えを読み取る。また、人類が宇宙人になるべき道を述べている段落と人類は宇宙両生類になるべき道を述べている段落及びどちらでもない段落を見極める。
4 自分は、筆者の考えに賛成なのか反対なのかの立場を考える。
5 各班ごとに、討論会をするか、ポスターセッションをするかを選択する。
6 自分たちの学習方法に従って調べ学習や発表の準備をする。
7 学習方法の選択に従って、1班対2班で討論会をする。また、3班から6班はテーマに沿ってポスターセッションをする。

 この授業で大切にしたことは、3つある。

 第一は、学習しやすい環境を整えることである。宇宙に興味関心を持ちやすくするために、町立図書館へ行って、子ども達が理解できて興味がわきそうな本を50冊ほど借りた。教室に「宇宙の本コーナー」を設置し、自由に読めるようにした。また、後半の調べ学習では、パソコンを利用したり、私の方で「火星」や「宇宙開発」等についてインターネットによる情報提供をしたりした。

 第二は、各班での発表テーマを選択制にしたことである。ポスターセッションにするか討論会(ディベート)にするかである。討論会の場合は、賛成側か反対側のどちらにするかを選ぶわけである。選択することで、自主的に取り組むことをねらった。
 子ども達が選んだポスターセッションのテーマは、次の通りである。
 ・火星について(3班と6班)
 ・ブラックホールについて(4班)
 ・いろいろな星について(5班)

 第三は、ワークシートを使い、足跡を残していったことである。各自にファイルを渡し、ワークシート等を綴じた。また、ポスターセッションとディベートのそれぞれについて目標と評価を確かめながら授業を進めた。

 初めは、筆者の考えに全員が賛成だと言っていた子ども達が、徐々に自分の考えを整理しはじめた。
(安曇川町立安曇小)