詩「いっしょうけんめい」を読む・書く
吉 永 幸 司
1.詩を繰り返し読む 詩「いっしょうけんめい」(新川和江)の指導をした。3年生。「いっしょうけんめい 泳いだら」「いっしょうけんめいはばたいたら」と各連は「いっしょうけんめい」で始まる。 いっしょうけんめい泳いだら いつか魚になれますか 尾ひれが生えてすいすいと 沖まで泳いでゆけますか 一連目は「魚」、二連目は「小鳥」、三、四連目はポプラ・お花と続く。リズム感があり、内容もそれ程難しくないので、繰り返し読むうちに構成や詩の仕組みを理解する。 C 魚になったらいいだろうなという気持ちです。 C すいすいが読んでいて楽しいので好きです。 C 初めと終わりが同じ言い方です。 という感想を整理すると詩の意味も理解できる。つまり、繰り返し出てくる言葉や子どもにとって魅力ある言葉を意識させて読んだ。 その過程で次の指示が効果的であった。 ○詩の中で好きな言葉を見つけて線を引く。 ○様子がよく分かる言葉に着目し、その意味について考えたことを発表する。 2.読む活動を書く活動に広げる 詩の形を真似てわたしの「いっしょうけんめい」を作る学習へと広げた。真似るところは次の( )の部分である。
読むことを生かし書くことへ広げたのは理解だけでなく、表現を通して詩のリズム、詩の快さを感じ取らせたいと思ったからである。特に深さや質を問うというのでなく、空白の部分に自分を生かすことを目的にした。書いたものは子どもの願いが素直に表れていた。「新川さんは自然が好きな人だね」という子の言葉が印象的だった。(作品例は次の通り) いっしょうけんめい研究すれば いつか星になれますか 空の上でおもいきり かがやく星になれますか いっしょうけんめい運動したら 体育うまくなれますか どこでも早くチーターのように 走れるようになれますか (京都女子大学)
|