巻頭言
こころをゆさぶる国語の授業づくり
與 田 靖 子

 私たちは、子どもたちに学ぶ喜びのある授業がしたいと、昨年度から「こころをゆさぶる授業づくり」をめざして取り組んでいる。私たちのめざす「こころをゆさぶる授業」とは、子どもたちにとって感動・葛藤・発見・満足・体験のある授業にほかならない。

 まず、学習の基礎・基本となる力をつけさせることを中心に取り組んだ。
 授業の単元公開(一単元を通して授業を公開する)を通して、感動のある授業づくりをめざす。
 そして、「白浜授業作りの十箇条」を掲げ、本校のめざす授業をより具体的なものとし、職員一丸となって取り組むことにした。
 白浜授業作りの十箇条とは、
@ 全員がバスに乗っている!
A 子どもが主役になっている!
B 主発間にこだわれ!
C 教師がしゃべりすぎない!
D 訓練することにひるまない!
E 責任をもって第一発言者を指名せよ!
F どんな力をつけさせたいかを明確に!
G 聴いて、認めて、かかわらせて!
H 教師の思いを語れ!
I ゆとりをもって授業せよ!
 というものである。

 まず、音読。なによりすらすらよむことができなくては、内容を理解することはできないと考えたからだ。毎時間、必ず読む時間を取り、全員で読む。口形、姿勢に気をつけて、おなかから声を出して読むことからはじめた。
 範読→追っかけ読み→一斉読み→リレー読み→指名読み→表情読み→黙読など。様々な方法で、どの子もすらすら読むことができるようになるまで読み込んだ。そうするうちに、大抵の子はすらすら読めるだけでなく、教材を暗唱してしまった。

 次に、自分の好きなところ、気になるところを伝え合う。私たちは、一人一人が、教材と向き合って、自分の好きなところ、気になるところに線を引きその理由を書き込む時間を、「読み広げ」とした。自分なりの読みを行間に書き込ませることで、豊かに読み取らせたいと願っている。書くことを大切に、自分の思いをすなおに表現させていく。

 そして、それぞれの好きなところ、気になるところを伝え合うことで、課題をしぼり「読み深め」の時間を設ける。子どもたちの好きなところ、気になるところから課題作りをすることで、主体的に学習に取り組むことができると考えた。
 自分たちの課題を、自分たちで解決していくことで、学び合う喜びを味わわせることができると考えた。
 また、子どもたちにつけたい「ことばの力」を明確にして取り組む。こうすることで、国語の基礎・基本となる力を身につけさせられると考える。
 今私たちは、一歩一歩模索しながら取り組んでいる。
(愛知県吉良町立白浜小学校)