方言と共通語のよさを考えよう (2) 方言・共通語ゲームをしよう(4年生)
川 那 部 隆 徳

 方言と共通語の特性に対する気付きを大切にした学習(参照本紙270号)を展開した。本稿は、その続編である。

 本時(第2時)のねらいは、方言・共通語ゲームを通して、方言と共通語に対する興味関心を高めると共に、自分の話し言葉に含まれる方言に気付くことにある。
「方言・共通語ゲーム」とは、出題された方言が共通語ではどのようにあらわされるかを答えるゲームである。

【方言・共通語ゲームの指導手順】
(1) 各自が前時に読んだ滋賀県に伝わる様々な民話の中から、方言を見つけ出し、方言とそれに対応する共通語を表に整理する。
(2) 各グループごとに短冊に方言を書き込む。
(3) 方言・共通語ゲームをする。
(4) ゲームに出てきた方言のなかで、普段、自分も使っている言葉を整理する。
(5) ゲームを通して感じた方言と共通語についての感想を交流する。

【方言・共通語ゲームの問題例】
 ○いかい→大きい 
 ○ほんで→それで
 ○ござった→こられた
 ○こうて→買って
 ○いぬさけ→帰るから
 ○けったい→おかしい

T ゲームに出てきて、普段、自分も使っているなあと思った方言はありましたか。
C 意外とあった。
T 例えば、どんなのかな。
C 「けったい」とか、「ぎょうさん」とか、「ようけ」とかで、別に意識していなかったけれど、これも、これも使っているという感じがした。
C よく似ていて、「方言なんて」と思っていたのに、改めて考えると結構使っていてびっくりした。
C 自分の使っている言葉の中には、たくさん方言があるんだなと思ったけれど、ゲームに出てきた方言を聞いていると、同じ滋賀県なのに、全然意味が分からない方言もあって、難しかった。
C 私は、普段、使っている方言は四つぐらいしかなかったので、それは、お母さんが東京出身だからかなあと思った。
C 僕も、神奈川県から引っ越してきたから、最初は方言で話していなかったけれど、だんだん増えてきたのかなと思う。
 (後略)

 方言ゲームから、自身の生活と結びつけて考える子どもが、多数いたことがうれしい。
(滋賀大学教育学部附属小)