読み聞かせボランティア
伊 庭 郁 夫
安曇小学校では、本年度より読み聞かせボランティアの方々による朝読書の取り組みを始めた。 事の発端は、学校図書館の担当者と私で町立図書館へ出かけたときのことである。図書館長との話の中で、お互いが協力してできることを話し合った。 その中から、実現できそうなことが見えてきた。3年生の図書館見学や図書館が主催する「読み聞かせボランティア講座」に学校も参加していくのである。また、都合のつくボランティアの方に、読み聞かせの時に協力して頂くというものである。 隔週で、朝学習に読書を設定する。時間は、15分間である。そのうち、木曜日には、全校一斉読み聞かせをすることにした。 ボランティアの方は、最初4、5名であったが最近は10名を超えることがある。人が人を呼んでくるようで、最初は様子を見学に来る方もおられる。そのうち、2人ペアで読み聞かせをしたり、パート1・パート2というように時間を分けて実施したりして工夫して下さる。 子どもたちに感想を聞いてみた。 「楽しかった。おもしろかった。」「大きな紙芝居でびっくりした。」 「声がやさしくてきれいだった。」「聞いていて、気持ちよかった。」 「本当に喋っているようだった。」「いろいろな本を読んでくれてうれしい。」 「素話が楽しかった。」「ニワトリの話を聞いて、いい話だと思った。」 「みんなとても静かやから、来てもらって良かったと思う。」 時には、教育長自らが読み聞かせをして下さる。本の題名は「くもの糸」である。お聞きすると、現場におられた頃「くもの糸」と「ああ無情」は、必ず読み聞かせをされたそうだ。前者は「命を大切にする」こと、後者は「正直であることの大切さ」を示したかったという。 先生方から見た子どもの様子は、 「毎週楽しみにしている。」「子どもたちも聞き入っている。」 「人形劇はとてもわかりやすく、食い入るように見ていた。」 「素直に反応しながら聞いている。」 「人形の言葉や動作に大きな声でうれしそうに笑っていた。」 ボランティアの方は、大型絵本、手作り紙芝居、蝋燭一本だけを立てての素話、英語による読み聞かせなど様々な工夫をして下さる。 ボランティアの方々にも、感想をお聞きした。 「反応があり、涙が出そうである。」「真剣に聞いてくれ、うれしい。」 「読み手の気持ちが伝わる。ありがとう。」 障害児学級からは、「ストレートに反応しながら聞いてくれる」という声。 「感あれば動ず」という中江藤樹先生の言葉を引用され、もっともっと工夫していきたいという前向きの発言には、頭の下がる思いだ。 (安曇川町立安曇小)
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