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不登校を乗り越える 不登校問題を考えた施策が行われてきたにもかかわらず、不登校が増加したという事実は、学校制度そのものの崩壊を意味しているというのが著者の立場である。専門医として自身の不登校体験も語りながら、けっして悲観的になる必要はないと親と子どもたちに説く。 第1章 不登校とはなにか 第2章 学校へ行くことの意味 第3章 不登校児童生徒たちの事例 第4章 不登校の周辺にある心の病 第5章 不登校は誰のせいか 第6章 専門医が考える治療法 第7章 親や教師はどう対応すべきか 第6章で示されている治療法から。 @責めずに接する。本人、家族ともに「慌てない」「焦らない」ことが重要。 Aカウンセリングは続けることで良い方向へ。閉塞的な状況を打ち破るという意味において有効に作用する。 B本人は、焦らず好きなことをする。無理して登校を続けて、あとでもっと辛くなってしまうよりは、今は、休むことが自分にとって必要だと考える。 C家族は原因探しをせずに、学校とは連携を保つ。孤立しないことが大切。原因探しをすると家族が悪かったという結論になり、閉塞状況に陥ってしまう。 第7章の「教師へのアドバイス」 @親を責めない。 A緩やかなコンタクトをとり続ける。 B登校できるようになったら、居場所を確保する。 C長期化するときには専門機関などを紹介し、家族の孤立化を防ぐ。 D不登校は「怠け」ではないし、その後の社会適応も悪くはない。 (常諾真教)
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