▼宮沢賢治の「注文の多い料理店」の授業をさせてもらった。授業の目標は、語と語の響き合いを大事にした読むことの授業という途方もない奥深いものであった。とても、そのような指導力はないので、とりあえず言葉を大事にするってどういうことかについて、一緒に考えようと指導案を練った。

▼指導案では、@「学習の手引き」で見通しを持たせる、A言葉に着目をして考えるという方法を理解させるための指導をする、B理解したことを生かし一人学習をさせる、C本時の学習の成果を振り返らせる、というような形で授業の具体像を描いた。ここでいうところの「学習の手引き」は学習の進め方を示したものである。

▼始まりは「二人のわかいしんし」の「わかい」の語句から始めた。「年寄りでない」という言い換えであったので「何歳くらい」問い返したところ「二〇歳ぐらいから四〇歳ぐらい」と様々。紳士からは「上品」という答えが大勢。そこで「わかいしんしでないといけないの」「二人は、太っている?やせている?」と聞き返した。ようやく、文章全体から、「わかい」「太った」等の語句の必然性を示すようになり、授業に勢いが出てきた。

▼その後、どこかの語句に立ち止まり、布置された語句の必然性を考える学習へと広げていった。短い時間だったが、語句に拘る子ども達が大きく見えた。(吉永幸司)