夏休みパワーアップ教室
北 島 雅 晴

 夏休みにも、子どもたちと出会う機会を作ることができる。
(1) 夏休みの様子をはがきで先生に伝え、それに対して返事を書く。
(2) 夏休みの様子(宿題の分からないことを含む)を電話で先生に知らせる。
(3) 家庭訪問をする。(ゆったりと話ができることが多い)
(4) 学校に子どもたちをよび、学習する。

 夏休み前に5年生の担任で話し合い、今年は、(1)と(4)について取り組むことにした。今回は、(4)について取り上げることにする。

 夏休みの3日間(いずれも午前中)、パワーアップ教室と名づけて学習をすることにした。
  9時〜10時  算数教室
 10時〜11時  夏休みの課題相談コーナー
 11時〜12時  コンピュータで情報収集

 夏休み前に希望を募った。3日間のどこに参加してもよい。算数教室は、毎回十数名の参加者があり、個々の子どもに応じた学習プリントを用意した。

 第1回目の算数教室。計算がちょっとにがてなMさんは、小数のわり算(1学期の復習)のプリン トを選んだ。Mさんの学習の様子を見ていると、始めは、商をなかなかたてられない。小数点を打ち忘れるなど、なかなか正しい答えが出せない。4年生のわり算の学習でも、かなり苦労をしたことだろう。間違うたびに、その箇所を指摘して、やり直しをさせた。Mさんのすばらしいところは、途中で投げ出さないことである。どんなに時間がかかっても、自分がやり始めた問題は、正しい答えが出るまで考えつづける。ただ、残念なのは、Mさんは、今日一日だけの参加予定であった。もう少しつづければ定着するのだが、という思いが残った。

 2回目の算数教室。Mさんが出席していた。1回目のつづきだから、自分でどの学習プリントから始めたらよいかは分かっていた。Mさんは、1時間、黙々と小数のわり算をやりつづけた。しばらく様子を見ていると、1回目と比べて、速く正しくできるようになっている。家庭でも、学習してきたのだろうかと感じる。

 今回は、Mさんのことを取り上げたが、一人ひとりに応じた学習プリントを用意して学習すれば、確実に身につくことが伝わってきた。Mさんが、少しずつ自信を持ってやろうとする姿が印象的だった。算数に限らず、「できるようになろう」という思いを持って取り組む機会を教師が作ることが大切だと感じた。
(草津市立草津第二小)