友達の考えと自分の考えを比べて話そう
岡 嶋 大 輔

 1つ質問をすればたくさん手が挙がり、それぞれが自分の考えを話そうとする活発な3年生の教室。話の内容も、その子らしく、一生懸命考えられていて、いろいろな違いが出て興味深いものも多い。さらに、友達の話をよく聞き、「○○さんと同じ考えなのだな」「○○さんと似ている考えなのだな」「○○さんと違う考えなのだな」というように、友達の考えと自分の考えを比べて考え、話せることが必要だと考えた。

 興味がわき、何通りもの考えが出て、友達と同じになったり似ていたり違いが出たりするような教材はないかと本授業を考えた。
 取っ手が付いていたり、形が違っていたり、模様が違っていたりするコップの絵を描いた12枚のカードのセットを、一人ずつに渡した。一人ひとりがその12枚のカードを2つか3つか4つぐらいに分け、その分け方をグループで紹介し合うのである。その際、友達の考えと自分の考えを比べて紹介するようにした。

「わたしは、ひろこさんと同じで、取っ手が付いているコップと、取っ手が付いていないコップとに分けました。」
「ぼくは、ひろこさんと似ていて、取っ手が付いているコップと取っ手が付いていないコップに分けましたが、その中でも、ハートのもようが付いているのと付いていないのとで分けました。」
 友達の分け方と「同じ」「にている」「ちがう」ということをはっきり話すこと、自分はどういうわけ方をしたのかを分かるように話すことをポイントとして、活動を進めていった。
 分け方が幾通りもあり、どう分けても正解であることで、活動自体でつまずくことはなく、どの子もが楽しめた。友達と違う分け方だと、新しい発見をした気分で嬉しいし、友達の分け方に感心することもできた。友達と分け方が違うことが多いので、分け方が同じだったり、似ていたりすると飛び上がるように喜んでいた。

 1時間でやり方と話し方を理解し慣れてきたので、次の時間は少しレベルを上げ、花の数が違ったり、鉢の色が違ったり、鉢の形が違ったり、草が生えていたり等している花のカードを20枚ずつ渡し、同じようにグループで分け方を紹介していった。

 その後の学習の中で、自分の考えを発表したり話したりする場面では、この授業を思い出して友達の考えと自分の考えとを比べ、「同じ」「にている」「ちがう」ということを話すことが抵抗なくできるようになってきた。
(甲賀町立佐山小)