七 変 化
好 光 幹 雄

 2年生になって、俳句作りに挑戦。初回の4月は、

 春が来て○○○○○○○うたってる
 春風に○○○○○○○あそんでる

の2つのパターンを示して、中七に春の花や生き物を入れるという方法で俳句作りの導入をした。作品も、
 春が来てたんぽぽさんがうたってる
 春風にもんしろちょうがあそんでる
といったありふれた作品であったが、五七五のリズムは8割方の子どもたちが分かってくれた。

 6月、2回目の今回は、少しことばを広げるという意味で、「蝸牛」と「紫陽花」の話をした。
 「蝸牛」の他の呼び方はと聞くと、みんなが「でんでん虫」と答えた。しかし、それ以外の名前は知らなかったらしい。「まいまい」等、他にも名前があることを話した。
 そして、「蝸牛」とくれば子どもたちのイメージは「紫陽花」。色が変わることを知っている子もいて得意そうに話をしていた。その子の話を受けて、だから「紫陽花」は色がいろいろ変わるから他の名前を持っているんだよと「七変化」を教えた。他にもまりのように丸い花だから「まりの花」「額の花」等があることも教えた。

 祖父母参観日だったこともあって、授業のねらいを次のように説明した。普段何気なく目にするものでもいろいろな名前があることと、その名前の由来があることを子どもたちが知り、ことばに対する関心と感覚を鋭くし、語彙を広げていくことをねらっていると。そのような意味で、祖父母の皆さんも、昔はこれを○○と言ったんだというように、子どもたちのことばを豊かにしてあげてくだされば幸いですとお願いした。

 2回目の作品は、前回のように型にはまったものもあれば、型から抜けて自由な作品も生まれてきた。子どもの作品も、回を重ねると「七変化」する。2年生の3月までに、どのような作品ができるか楽しみである。
〈作品紹介〉
 かたつむりあめがすきすきうたってる  きょう子
 つゆの日にあじさいさんがわらってる  かなえ
 うしがえるおおきなこえでうたってる  ほのか
 かたつむりはっぱのみちにのーろのろ  もも子
 きんぎょがそよそよとおはなししている さつき
 かえるさんもっとあめふれいいきもち  くにゆき


 幻灯の民話の里や螢籠   幹雄
(大津市立堅田小)