作文の勉強はきらい!でも、書いちゃった!2
西 村 嘉 人

 「言葉の研究レポートを書こう」を学年全体の少人数指導で取り組んだ。
 単元を構想するにあたって、「言葉の研究」「レポートを書こう」と子どもの学習の二つの活動を想定し、「言葉の研究」を子どもの興味・関心を大事にした課題別少人数学習で、「レポートを書こう」を子どもの書く力に応じた習熟度別少人数学習で取り組むことにした。

 私が担当したのは前半が「語呂合わせを楽しもう」コース、後半が「くわしく書き方を教えてよ」コースである。
 「語呂合わせを楽しもう」コースの学習は、コース選択をした時点で子どもたちが十分関心をもっているので、その興味・関心が薄れないように支援するだけである。研究レポートを書くときに役立つように、「語呂合わせを考えるとどんな時に便利?」「語呂合わせをなぜするのか?」などを少し考えさせるだけであった。

 単元の展開で大事にしたかったのは後半の「レポートを書こう」の学習である。
 「調べたことを原稿用紙3枚以上の研究レポートにまとめる」が本単元で子どもたちに示した目標であるので、何としても原稿用紙3枚のレポートを書き上げさせて、「できた!」の声を出させたい、との強い思いがある。

 4時間扱いで学習指導を始めた。集まった子どもたちは「作文は苦手」「3枚なんて書けるわけがない」と思っている子どもたちばかりである。
 いきなり原稿用紙に文章を書かせず、構想カードにメモをすることから入った。「調べようと思ったわけ(動機)」をさらに詳細に分割して「先生の話を聞いていて面白いと思ったことは?」「こんなことができたら、と思ったことは?」「調べた後、こんなふうになれたらいいなと考えたことは?」などの項目をテンポよく思いつくままに書かせていく。書けない項目は空けておいても構わないことを伝え、教師が項目を読み上げながら進めた。

 1枚仕上げるたびに、このカードを使うとどのような文章になるか、子どもが書いたカードを使って文章例を口頭で示していった。同様に「調べる内容」「調べ方」「調べた内容」「まとめ」のカードを書き終わったときには、子どもたちの頭の中にほぼ文章の全体が書き上がっているように配慮したのである。
「私は3枚のレポートが書けるなんて思っていなかったけど、書けてよかったです。」
 子どもの学習感想である。
(彦根市立城南小)