作 文 を 書 き 上 げ る
北 島 雅 晴

 作文を書き上げるまでに、いくつかのハードルがある。
 ・書きたい題材を見つける
 ・文章全体の構想を決める
 ・どんな事例を使うかを決める
 ・書き出しをどうするか決める
 ここまでできれば、比較的すらすらと書くことができる。作文の指導では、記述するまでにいくつかのハードルがあるように思う。

 5年生の作文の学習で意見文を書いた。テーマは「ぼくが、私が大切にしたいこと」である。日々の生活の中から大切にしたいことを見つけ、友だちに伝えるという設定で学習を展開した。
 その中で特に指導上注意したことを2つ紹介したい。

【教師がいい話をすること】

 先生がちょうどみんなと同じ5年生の時のことです。クラスにたかし君という子がいました。何でもしっかりとできる子でしたが、小さい頃に重い病気にかかり、手足が少し不自由になりました。休み時間には、一緒に外で遊ぶのですが、たかし君の入ったチームが負けてしまうことが多くありました。ある男の子が、
「たかし君が入ると負けてしまうのでおもしろくない。ぼくは、たかし君を入れるのに反対だ。」
と言いました。ぼくは、その時、
「そんなこと言ったらかわいそうじゃないか。」
と言ったけど、本当にそう思うことができていたのか、後で考えてみました。
(その後のことは省略)
といった話をいくつか子どもたちにして、子どもの心にストンと落ちる話があれば作文を書くことに生かせるだろうと考えた。

【題材を決める時間を十分にとること】
 題材を決めるまでに5日ほど期間を置いた。その間に2つのことを行った。
 まず、思いつきでもいいから日々の生活の中で大切にしたいことをカードに3枚ほど書いた。そして、そのカードを友達同士で見せ合い、題材を決めるヒントにした。
 カードを見せ合いながら、友だちに質問する子もあった。この活動をする前に、題材がすでに決まっている子もあったが、友だちのカードが参考になったという子もいた。
「A君のようなことは思いつかなかった。」
と話す子も一部だが出てきた。
 このあと、分かりやすく伝えるために構想を練る段階でもハードルがあったが、多くの子が本当に書きたいことを決められたので、その後の学習もスムーズに進めることができた。
(草津市立草津第二小)