第一単元で国語教室開き
川 那 部 隆 徳

・本好きになるといいな。
・話すこと以上に聞くことを大事にしよう。
・書き慣れよう。
 これが、国語教室開きにあたって、子どもたちに話した内容の骨子である。

 こんな願いを持った取り組みのスタートとなる第1教材「三つのお願い」(4年光村上)についての実践である。音読を学習活動の中心に据えて取り組み、役割読みのおもしろさにふれることをねらいとした。

【学習計画】 (全8時間)
第一次(2時間) 
○繰り返し音読し、物語の粗筋をつかむ。
 ・初発の感想を交流する。
 ・繰り返し音読し、すらすらと読めるようにする。
第二次(3時間)
○役割読みの練習をする。
 ・音読記号について理解する。
 ・グループで役割読みをする。
第三次(3時間)
○音読発表会とまとめ
 ・音読発表会をし、それぞれのグループの音読のよさについて話し合う。
 ・人物像や作品のテーマについて交流する。

【第1時】 一度、範読した後、一斉読みを行った。音読の途中に、場面の区切りや会話部分で、「男子」「1班」「○○さん」等々と指名しながら読み進めていった。音読終了後、
T 4年生になって初めての音読でしたが、やってみたり、あるいは聞いてみたりしてどんな感じがしましたか。
C ビクターとノービィーの掛け合いのところが、本当にけんかしているみたいだった。
C 迫力があった。
T 実際にその役を音読していた人は、どんな感じがしましたか。
C やっている内に相手がけんかを仕掛けてきているような感じがして、本当に腹が立ってきので、そんな感じが自然に出たんじゃないかな。
C 僕もだんだん声が激しくなった。
C もっと読みたい。

 国語教室のスタートにあたり、当初、「国語は嫌い」と言っていた子どもが、第1教材終了後、「次の国語は何をするの」と尋ねてきた。「どんなことがしたい?」と問い返しながら、国語の学習におもしろさを感じた証であろうとほくそ笑んだ。
(滋賀大学教育学部附属小)