巻頭言
自 分 を 表 現 す る 力
金 丸 洋 子
学校の前を流れる川にはユリカモメが乱舞し、鉛色の空に覆われる季節が到来しました。この季節が訪れるたびに陰鬱な気分に覆われるのが常でしたが、今冬はちょっと違います。学校中にはじける笑顔・明るい声・伝え合おうとする姿が、金沢の冬を吹き飛ばすパワーになっているようにと思える今日この頃です。 本校は文部科学省の研究開発学校として「自己表現力の育成」に取り組み二年次を終えようとしています。関わり合いの中で、一人一人が生き生きと自分らしい表現ができる子になってほしいと願っています。表現力を教育課程全体の中で育て、自分を表現する楽しさや自分を表現できた喜びを大切にして取り組んできました。 1年生の重点は対話力や体表現力です。教室の真ん中に設定した出会いの広場で相手を見つけ、説明・質問・感想等を対話し喜々としている姿。胸の高さほどの卓球台の前で、卓球パフォーマンスに興じている姿。「教室に入るときの合い言葉は『げんき』よ、忘れないでね」と提案している冬休み前の学級の1コマ。こんな1年生を目にしては、思わずにこにこしてしまう私です。 ![]() どこの学校でもそうでしょうが、本校でも生徒指導上の問題や家庭の問題を抱えている子が多数みられます。だからこそ学校が自分を表現できる場になり、互いにコミュニケーションし認め合える安らぎのある楽しい場になることが大切なのではないでしょうか。そして、そんな学校を創る過程の中で、子ども達一人一人に自分を表現する力が育っていくと信じています。 ドラえもんのエンディングテーマ YUME日和の明るい歌声が職員室まで響いてきます。 ♪虹を結んで空のリボン 君の笑顔へ贈り物よ 願いをかけましょう夢日和 明日また しあわせであるように♪ 夢に向かって飛び立つ翼になるように、自分を表現する力を育んでいきたいと願ってやみません。 (金沢市立米泉小学校長)
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