春 の 広 場 〜詩を楽しもう〜
好 光 幹 雄

 2年生の最後の単元に「春の広場」(東京書籍)がある。春探しをして見つけたことを作文に書いたり、春をテーマにしたお話や詩を読んだり書いたりすることが単元の学習活動である。

 春の詩に親しむために工藤直子さんの『のはらうたU』から、
「おしらせ」   うさぎふたご
「ひるねのひ」  すみれほのか
「ゆきどけ」   こぶなようこ
「ひなたぼっこ」 つくしてるお
「ひだまり」   とかげりょういち
「はなひらく」  のばらめぐみ
の6つの詩を選んで子どもたちと楽しく読んだ。
 軽快なリズム感、そして洗練されながらも難しくないことばで作られた詩は、味わい深く、しかも2年生の子どもたちにぴったりくる詩である。
 中でも一番人気があったのは、「ひなたぼっこ」である。


  ひなたぼっこ
        つくしてるお
 くりくりあたまに
 おひさまあびて いいきもち
 はかまを くすぐって
 はるかぜが とおりぬけ
 ぼくは ちょっぴりせがのびた
 ねっこふんばり むねをはり
 もんしろちょうに きいてみる
 「ね、ぼく いいおとこ?」


 最後の「ね、ぼく いいおとこ?」が、やんちゃな男の子たちにはとっても気に入ったようで、休み時間になってもそこばかり楽しそうに口にしていた。

 自分が一番好きな詩を暗唱しようと言うと、各自好きな詩を覚え始めた。友だちと工夫して発表してもいいよと言うと、以前に音読した方法を取り入れて暗唱をし始めた。
 例えば「ゆきどけ」では、「はる・はる・はるがきた」を一人・二人・三人で暗唱する。そうするとだんだんと声のボリュームが増し、春がやってきたうれしさや力強さが伝わってくる。
 このようにして詩を暗唱すると6編の詩を誰が一番に暗唱できるか競争しだした子どもたちが出てきた。一つ一つの詩を覚えては暗唱しに私のところへ来る子どもたちは、春の野に咲く花のように笑顔で生き生きしている。

 この単元の最後の学習では、一番好きな詩を淡い春色の色画用紙に視写し白ボール紙の台紙に貼ってリボンを付け壁飾りにした。仕上がるやいなや家に持って帰って飾りたいと言う子がたくさんいた。このような学習を通して、子どもたちのことばに対する心が「ほんのりと ほんのりと ほんのりと めをさまし はなひらく」ことを願っている。
(大津市立堅田小)