作文文集の目次を作ろう
海 東 貴 利

 1年間の国語学習の中で、いろいろな作文を書いてきた。毎回アドバイスやコメントを書き加えたあと、相互評価のワークシートと一緒にファイリングしてきた。今回はそのファイルを整理し、1ページ目に目次を作り、自分の作文文集を作ることにした。スピーチをするための原稿や道徳の時間の感想など、他の教科や学習で書いたものも合わせた。
 目次には、作文のタイトルの他に、内容に関連したオリジナルな絵やページ数・学習した月日を書き加えた。最後のページにはあとがきとして、1年間の作文学習をふりかえっての感想を書いた。

 書きためてきた作文が冊子として完成することで、子どもたちは1年間の学習の積み重ねを感じることができた。「わぁ、こんなことも書いていたなぁ。」「なつかしいなぁ。あのとき、こんなことあったなぁ。」という声が聞こえ、自分の書いた作文を何度も読み返していた。あとがきには、「漢字をしっかり使うようになってきた。」「はじめ・なか・おわりに気をつけて書くようになった気がする。」など、はじめの頃に書いた作文と比べて、自分の学習を評価している子どもの姿があった。

 毎回、作文の学習では、自己評価と他者評価をワークシートにして、それも学習活動の一つにしてきた。常にその観点を意識して書くことができればという意図から評価の観点は、ほとんど変えずに取り組んできた。観点は、
(1) 言いたいことがはっきり分かる文章だったか。
(2) 意見の根拠ははっきりしているか。
(3) 書き出しの工夫はされているか。
(4) 一文の長さは長すぎないか。
(5) 読んで意味のわかりにくいところはないか。
(6) 「だ・である」と「です・ます」が混ざっていないか。
(7) 感想・アドバイス
である。

 「よくできている」という他者評価を見て、自信を持つことができた子もいたし、逆に「もうすこし」という評価を友だちからされ、書き方の改善や工夫をするところを確認できた子もいた。
 しかし、まだまだ子どもが的確に評価しにくい観点が含まれている。これからは、評価観点を厳選し、子ども自身で評価できるものを提示しなければならないと思う。また、ファイルされた作文やその評価、アドバイスなどを次回の作文の学習に十分生かせるような手立ても必要だと思う。

 学習後も、休み時間に机の引き出しから作文文集を取りだして、読んでいる姿を見た。目次づくりは、これまでの学習の単なる整理に終わることなく、自分の作品に自信を与える貴重な宝物になったようである。
(安曇川町立青柳小)