日本語について調べよう
伊 庭 郁 夫

 5年生最後の作文は「日本語について調べよう」というテーマにした。教科書に「ふだんの言葉をふり返ろう」という問いかけがある。そして、「日本語を考える」という説明文と「日本語について調べよう」という発表会形式の単元構成になっている。
 この単元では、5年生の終わりにあたり、自分自身の言葉づかいをふり返る機会としたい。

 単元の大きな流れは、次の通りである。
1 「日本語を考える」を読み、各例について理解する。
 例(1) 「すみません」
 例(2) 「いただきます」
 例(3) 「ある」と「いる」
2 「日本語について調べよう」を読み、自分のテーマを決める。
3 テーマについて取材し、作文の下書きをする。
4 下書きをもとに、パソコンで原稿を打ち込み、印刷する。

 40人の子ども達が考えたテーマには、次のようなものがある。
 ・よく使うことわざ   ・あいさつ   ・敬語の使い方
 ・慣用句   ・和語、漢語、外来語   ・自分のことを何と呼ぶか
 ・京都の方言
 この「京都の方言」というのは、お父さんが京都の出身だからだそうだ。

テーマについて取材をし、下書きをする。その時、指導したことは、次の点である。
oなぜ、そのテーマを選んだのかを説明する。できるだけ、自分の身近なテーマを選ぶ。
o何で調べたのかを書き表す。
 (例)家の人や友だちへのインタビュー、図書室の本や辞典、インターネットなど
o調べた内容を書く。自分の予想と調べた内容を比べるとよい。
 (例)自分の予想したことわざの意味と実際に調べたことわざの意味。
o自分の感想や意見を書く。

 実際の作文の中から、まとめの部分を挙げる。


「大人はことわざを知っているけれど、子どもは知らない。未来の日本は、ことわざは図鑑の中にしか無いものになっていくのではないでしょうか。」
「京都と滋賀では、地方によって言葉が違うけど、だいたいの方言なら理解できるのが不思議です。」
「時と場所が変わると、言い方も変わるんだなと思いました。」
「ちゃんと意味を知ってから、正しくことわざを使いたいなと思いました。」
「私も立場によって、呼び方を変えてみるということもしてみたいです。」


 自分の言葉をふりかえる時間が持てた。
(安曇川町立安曇小)