事物の特徴をとらえる視点に気づき、紹介文を書く ぼくんちのゴリ(1年)
川 那 部 隆 徳

 事物を様々な角度からとらえる視点に気づき、その視点から見出した特徴を効果的に紹介する学習を構成した。観察の視点を見出すことに主眼をおいている。ここでの「効果的に」とは、教材文の表現のよさを生かしながら紹介文にあらわすことを意味する。クラスの友達に、自分の好きなもの知らせたいという思いを高め、目的意識、相手意識をしっかりもちながら学習を進めるように働きかけた。

【指導計画】
 第1次:教材文を繰り返し読んで、「ゴリ」の特徴がどのように書かれているかをつかむ。(3時間)
 第2次:自分の好きなものの特徴を捉え、その紹介をすることができる。(3時間)

【教材文を繰り返し読んで、「ゴリ」の特徴がどのように書かれているかをつかむ学習場面】
C 歯はぎざぎざしている。
C ぎざぎざしているだけでなくて、とがっている。
T そうするとゴリの歯はどんな形になっているのかな。
C (黒板に絵を描きに来る。)
T 尖っているだけだとこうだけど、尖ってギザギザしているということはこんな形になるということだね。
C 鮫みたい。
C 尖った歯は、犬歯っていうんやで。
T 犬歯のけんは犬って書くんだよ。犬の歯みたいな歯が人間にもあるんだね。
C でも、ゴリの歯の方が尖っている。
C ゴリの歯とぼくの歯を比べて書いている。
T 「ほかにも」の前はどうでしたか。
C 前は、全然比べていなくて、「名前は、ゴリ」「年は5才」というふうに1つのことしか書いていない。
T でも、「ほかにも」の後は、
C くわしい。 (後略)

 このような話し合いの後、上段に視点、下段にその特徴を書き込むワークシートを用いた。ワークシートを記入していく過程において、視点を見出していくことができた。また、教材文に表されている特徴を表形式で整理することにより、様々な事物の特徴がどのように文章化されていたかをとらえることができた。

 これらは、自分の好きなものについて紹介する際に、その特徴を文章として表すことの指標となった。このように観察の視点を見出す力は、「書くこと」の学習において重要な力だと考える。
(滋賀大学教育学部附属小)