発想を広げて 〜「これは何でしょう」作文(4年生)〜
高 野 靖 人

 黒板に大きな円形をチョークで描く。
「何に見えるかな」
「ボール」「おさら」「地球」
 円形・球形のものを子どもたちが発表する。そこで、用意しておいた円柱形の貯金箱を横に倒して、上から見えるように示す。
「これだって、円に見えるでしょう。見る角度や見方によってずいぶん形も変わります。」

 この導入を踏まえて、「これは何でしょう」作文を開始する。用意したプリントは、3種類。それぞれ最初に挿絵のように模様が描かれていて、その下に「これは(   )です。」と書かれており、その後、つづきの話が書けるように数行罫線が引かれている。
 模様は、「楕円」「角の丸い長方形」「中に×のかかれた正方形」の3種類である。
 好きな模様のプリントを選んで、短作文を始める。1枚書き終わると、次のプリントを選び書く。3種類とも書き終わると、同じプリントの別案を書く。

 考えやすそうな「楕円」や「長方形」を一番に選ぶだろうと予想していたのだが、案外「×の入った正方形」にいきなりチャレンジする子も多く、驚かされた。多い子は、5作品を半時間程度で仕上げた。
 「楕円」は、やはり「たまご」や「おさら」と書く子が多い。しかし、同じ「たまご」でも「恐竜のたまご」のように、一工夫されている作品が多かった。他に、「ユーフォー」「オムライス」「未来の丸丸ずし」等々。
 「長方形」も「おさら」が多いが、他に「ケシゴム」「まど」「黒板」「スイッチ」「バス」「クッション」「ラーメン屋」等々。
 「×の入った正方形」は、「バツのはんこ」「○×クイズのバツ」「リボン屋さんの看板」「ヘリコプターの着地場」「言ってはいけない時のマスク」「せんとうきのターゲット」等々。

(児童の作品)
「楕円」

 これは、(みらいの丸丸ずし)です。
 これは、ある日☆おじいさんが、実さいに食べたおすしの話です。
 ある日☆おじいさんが、すし屋に行きました。新発売のおすし、丸丸ずし。☆おじいさんがたのんで食べたら、☆おじいさんが丸になってしまいました。よく見たら、小さい字で、これを食べたら丸になると書いてありました。

「×の入った正方形」
 これは、(ヘリのちゃくち場)です。デパートが火事になって、客はおくじょうににげました。そして、ヘリをよんで、助かりました。
(大津市立仰木の里小)