▼学びのエネルギーは何だろうかという気持ちで授業を参観することが多くなった。それは研究授業などで、子どもの発表やグループ学習という形態が多くなったことにもよる。

▼学びエネルギーとい うと、一般的にはほめてもらうとか認めてもらうとかいう受動的なものが先ず思い浮かぶが、子どもが前面に出ている発表のような授業ではそうではない面を感じることが多い。例えば3年生の授業。「昔の遊びを調べ発表する」ことを目的にした活動で、一つのグループは対話劇という方法を用いた。

▼おばあさんの家へ友達と一緒に行く場面、おばあさんに教えてもらう様子などを劇にして発表をしたのである。口頭で説明を受けるより分かりやすい。身を乗り出して聞いている子もいた。それが気に入ったのか、発表の子も熱が入る。対話劇を思いついたのは全校集会で高学年が演じたのに憧れ、いつか自分たちでもと考えていたという。

▼小規模学校で全校のスピーチ大会が毎週開かれていた。3学期になると1年生が、インタビューや対談の形式で発表をしているという報告を聞いたことがある。気に入った方法で自分たちでもやってみたいというので子どもに任せたら、予想を超えてすごく上手なのでびっくりしたと担任が舌を巻いていた。

▼自分もやってみたいという「憧れ」が子どもの意欲と結びつくと大きな力になる。(吉永幸司)